お金持ちの中には、海外でビジネスを成功させたり、海外不動産投資を実践している人も多い。だが彼等が皆、英語が達者なのかというとそうでもない。中にはほとんど英語がダメという人もいるのだが、何故か海外でのビジネスや投資を成功させている。それはどうしてだろうか。
英語の問題ではない
英語が不得意でも、海外ビジネスや海外投資で成功できる理由は、ひとことで言ってしまうと、ビジネスや投資のセンスである。
世界には様々な国があり、多くの言語と文化がある。だがビジネスや投資の世界は意外と単純で、言語や文化が違っても、基本的な部分で大差はない。商習慣についても、細かいところをあげればキリがないが、基本的には、皆、利益を上げたいという点では同じであり、想像もできなような違いに直面するというケースは少ないのだ。
むしろ国内であれ、海外であれ、そのビジネスがうまくいくのか、あるいはその投資から十分なリターンが得られるのかという部分の見極めが大事であり、そこさえうまくいくのなら、言語の問題はそれほど重要ではない。
日本における不動産投資の契約書と米国の契約書はまるで違っているし、米国には日本でいうところの登記の手続きは存在しない。だが、契約書で何を取り決めるのかという部分や、不動産の所有権をどう担保するのかという重要な部分についても基本的な考え方は同じであり、違いはあくまで形式的なものである。
したがって日本においてビジネスを上手く回したり、投資で成功できる能力があれば、海外でもうまくいく可能性が高い。英語についても、ある程度の会話ができる人であれば、取引に内容を絞ることで、何とか乗り切ることができるし、経済的に余裕のある人なら通訳を雇えば済む。
実際、筆者の周囲にも、語学がまったくダメであるにもかかわらず、複数カ国の不動産に積極的に投資している実業家が何人もいる。彼等は海外だからといって判断基準を変えたりすることはなく、いつもと同じ調子で投資を進め、そしてしっかりとリターンを得ている。
ある人物は通訳を雇っていたので、これには相応のコストが必要だが、そもそも海外でのビジネスや投資にはコストがかかるものである。ビジネスクラスで何回も現地と日本を往復したり、通訳を雇うくらいの資金を捻出できない案件は、そもそもグローバル案件としてふさわしくない。