資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回のテーマは「新興国の不動産投資」です。アメリカが段階的に利上げに踏み切っているなか、購入するのは賢い選択なのでしょうか。ーー
新興国の不動産投資は控えるべき?
Q(質問者):アメリカの政策金利の引き上げによって、新興国から資金が引き上げられるという話を聞きました。新興国の不動産投資はリスクが高いと思うのですが、少し様子を見た方が良いのでしょうか。
A(内藤氏):アメリカの政策金利は、2008年に起きたリーマンショック以降、低水準で推移していましたが、2015年12月に0.25%から0.50%に引き上げられました。以降も、好景気を背景に段階的に上昇していて、2018年に至っては4回実施、2019年2月時点で2.50%になりました。
こういった、アメリカの利上げによって資金の流れが変わり、新興国から資金流出の懸念があるという予想をする専門家がいます。確かに、新興国に投資をするより、経済的に安定しているアメリカにお金を置いておいた方が安全ですし、金利が上がると、その分利息も増えます。実際、既に利上げ懸念が出てから下落した新興国通貨もありました。
投資判断をする上で考えなければいけないのは、自分の投資スパンです。例えば1年単位で売買しようと考えるのであれば、目先の金融政策は重要です。
しかし、不動産投資の場合、最低でも5年。長ければ10年以上の投資となります。新興国不動産は、保有期間中にインカム収入を受取ながら、売却時に値上がりを狙う戦略になります。