資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回のテーマは「マイナス金利政策」です。日銀により導入が始まり3年が経ちましたが、資産運用にどういった影響をもたらせたのでしょうか。ーー
日銀のマイナス金利政策による資産運用への影響は?
Q(質問者):2016年1月29日に始まった、日銀のマイナス金利政策から3年が経ちました。これにより、資産運用にはどういった影響があったのでしょうか。
A(内藤氏):マイナス金利とは、市中の金融機関が日銀に預けている預金金利をマイナスにするといった政策です、これにより、金融機関は日銀に資金を預けたままにしておくと金利を支払う必要が生じるようになったので、金融機関が企業などへの貸し出しや投資に資金を回すようになり、経済活性化とデフレ脱却を目指すというシナリオを描いていたわけです。
その結果はさておき、マイナス金利の導入で、個人投資家の資産運用にもこれから大きな影響が出てきました。
まず、定期預金やMMFのような、日本円でインカムゲインを狙う金融商品の魅力低下です。短期債券で運用する投資信託の中には、低金利で運用コストをまかなうことができなくなり、新規募集を停止したり、ファンドを償還せざるを得ない商品もありました。
また、国債の発行も新型窓口販売方式の10年債と2年債は金利低下の影響で発行を停止。個人向け国債の金利も下限の0.05%になりました。