ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は、新たに登場したユニークなクレジットカードを解説している。(1/3から読む)–––
カードポイントをVisa加盟店で使える
サービスを三井住友カードが開始
三井住友カードはナンバーレスのクレジットカードを発行するだけではなく、カード決済で付与する「Vポイント」についても、新たなサービスを2月から始めました。それが、VポイントをVisa加盟店で使えるというものです。
三井住友カードのポイントであるVポイントは、カード利用200円で1Pたまるのが、基本的なレートです。これまでは、さまざまな景品やANAマイルや他のポイントなどに交換したり、カードの支払金額にキャッシュバック(充当)するサービスを提供していました。
これに加えて、Vポイント専用のアプリをダウンロードのうえ、アプリ内で発行されるVisaのバーチャルプリペイドカードにVポイントを1P=1円のレートでチャージすると、チャージ残高でiD加盟店(Apple Pay)やVisaのタッチ決済加盟店(Google Pay)で利用できるようになりました。バーチャルプリカにはVポイントだけではなく、クレジットカードや銀行口座からチャージすることも可能です。支払いの際は0.25%がキャッシュバックされ、Vポイント付与対象のクレジットカードからVポイント残高へのチャージの場合は、チャージ額の0.25%のVポイントも得られます。チャージの手間はあるものの、ポイントの使い道として非常に便利で、これまで使わずに失効していた人には朗報です。
このサービスで注目すべき点は、スマートフォンのアプリを介している点だと私は思います。現在、カード各社はホルダー向けにアプリを提供していて、そこでは利用状況を確認したり、キャンペーンの告知などを行っています。PCと違ってスマホは身近なデバイスなのでアプリを通じて自社サイトへのアクセス増が期待でき、プッシュ通知などで情報を届けることもできます。カード会社からすると、ホルダーとの接点に積極的に使いたいはずです。三井住友カードも、アプリの活用を促すため、こうしたサービスを設計したのではと思う節もあります。ナンバーレスカードのカード情報をアプリで確かめるというのも、単に利便性だけの話ではなく、そうした狙いがあると思います。このように、今後は他社でもアプリをフックにしたいユニークなサービスが登場するかもしれません。