高級車市場が好調である。流行のSUVもそうだが、このカテゴリーともなると4ドアセダンも悪くない。高級車とは「かくありき」とばかり進化している。そりゃそうだ。どんなにSUVがラグジュアリーになっても荷物を積む場所とキャビンが同じ空間にある。それに対しセダンはバルクヘッドでしっかり区切られているのだから本物の高級はこちらだ。
とはいえ、メーカーにとってはどちらも大事で、メルセデスはこれらを混在して生産できる工場の新設計画を発表している。ボディタイプだけでなくパワーソースも混在だ。内燃機関、プラグインハイブリッド、EVと幅広く扱うらしい。この新たな生産ラインにより生産効率は25%上がると言う。それだけに多額の投資であることは間違いない。
そんなメルセデスベンツがSクラスをフルモデルチェンジさせた。7年振りということなので、計画通りの進行と言える。フラッグシップモデルにブレはない。世界中の顧客がそれを待ち望んでいる。
新型のエクステリアはご覧のようにキープコンセプトである。言ってしまえば、これまで通りオーセンティックな装いをしている。が、実はその中に新世代メルセデスのデザイン言語がしっかり取り入れられているからおもしろい。
具体的には“センシュアルピュリティ(官能的純粋)”がそれで、余分なキャラクターラインを省き艶のある滑らかなフォルムを形成している。面が柔らかく見えるのはそう言うことだ。これはそもそも4ドアクーペのCLSから始まった考え方だが、好評につき全モデルに波及している。チーフデザインオフィサーのゴードンワグナー氏の提案で始まった。
ボディタイプは標準ボディとロングボディの2種類。レクサスLSはロングボディのみとなったが、こちらは標準もキープされる。前者の全長は5180(AMGラインは5210)mm、後者は5290(同5320)mmとなる。全幅と全高は変わらない。
これに対しインテリアはドラマチックに変わっている。ハイテクによりラグジュアリーを表現したそうだ。