ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。前回に引き続き、百貨店のアプリサービスについて紹介しよう。(1/3から読む)−−−
大丸・松坂屋アプリはアプリによる
支払いサービスを導入
老舗百貨店の大丸松坂屋も2019年5月から「大丸・松坂屋アプリ」の提供を始めていて、ユーザー数は100万人を突破しています。基本的には以下のサービスを提供しています。
・ポイントプログラム
大丸・松坂屋の買い物100円につき1ポイントを付与。たまったポイントは1ポイント=1円で使うことができます。
・ランクごとに得点を付与
大丸・松坂屋での買い物やチェックインで「カラット」がたまり、カラットがたまるほどジュエリーのランクは「トパーズ⇒エメラルド⇒サファイア⇒ルビー⇒ダイヤモンド」とランクアップ。「限定ラッピングサービスや「食品お得サービス」「喫茶ワンドリンク」など、ランクに応じて特典が付与されます。
他にも各店のお得な情報をはじめ、インフォメーションをタイムリーにお知らせするなど、ニュース系のサービスも充実。7月からは、「支払いサービス機能」も追加しました。これは、大丸・松坂屋アプリにクレジットカード情報を紐づけたうえで、各店舗の支払いをするというものです。
登録できるのは「大丸松坂屋カード」や「大丸松坂屋ゴールドカード」「さくらパンダカード」「大丸松坂屋お得意様ゴールドカード」で、支払い時はアプリに表示するQRコードを読み取ってもらいます。これを利用することで、買い物の際はわざわざクレジットカードを財布から出す必要がなく、手間がかかりません。
百貨店によるアプリ活用は、これだけにとどまりません。例えば、京王百貨店は配送マッチングサービスの「PickGo(ピックゴー)」と提携し、京王百貨店新宿店の商品を自宅や指定の場所(最大半径11㎞)に届けるサービスを7月15日から始めました。お菓子や生鮮食品など約700種類が対象で、買い物に出かけるわずらわしさを解消します。
一方、ARナビゲーションアプリ「PinnAR(ピナー)」による施設内外のルート案内を6月22日に始めたのは、玉川高島屋S・Cです。PinnARはスマホカメラが映し出す実際の風景上にルートを表示する「AR(拡張現実)ナビ機能」を搭載したアプリで、画面上に表示される矢印のルートの従って進むだけで、目的地にたどり着くことができます。同施設は館内や別館へのアクセスについての問い合わせが多く、インフォメーションで客と従業員の接触機会を減らしたり、客の利便性向上が目的だそうです。当初は本館と南館の館内からサービスを始め、来年2月までに西館や別館にも拡大する予定です。
−−−アプリを活用した、利便性や付加価値を向上させるための百貨店の取り組み。今後も加速していくかもしれない。次回は外商カードの動向をお伝えしよう。