長く続いたコロナ禍も先進主要国の多くでは収束の兆しが出てきており、コロナ後を狙って数多くのリゾートや観光施設が年内もしくは近い将来に開業する予定です。筆者も今年の後半は英国に滞在する予定ですので、英国を中心としたアフターコロナの観光業の見通しについて紹介します。
ワクチンパスポートで海外渡航が復活
デルタ株が蔓延していることで、日本では海外旅行の復活はまだ先の事と感じている人も多いでしょうが、ワクチン接種で先行し海外渡航にもワクチンパスポートを活用することで、英国など欧州での海外旅行は復活してきています。
英国では海外からの渡航について、新型コロナの感染リスク別に3種類のカテゴリに分けられています。信号と同じでグリーンが最上位となっており、コロナの感染リスクが最も低い国々として現在私が暮らしているシンガポールを始め香港や台湾といったアジアの国々に、オーストラリアやNZ、さらにはドイツやノルウェー、ルーマニアといった欧州の国々など20ヵ国ほどが指定されています。このグリーンゾーンから英国への渡航はワクチン接種の有無にかかわらず、渡航前の3日以内と渡航して2日目の2回のPCRテストで陰性であれば一切の隔離なく渡航できます。
日本や米国など主要国の大半は2番目のアンバー(黄色)に指定されていますが、こちらからの渡航についても英国で承認されているワクチン接種が完了していれば、グリーンゾーンからの渡航と同じくPCRテストで陰性であれば隔離なく渡航できるようになりました。
日本はいまだにワクチン接種の有無にかかわらず入国後に2週間の隔離が義務付けられているために、まだ海外渡航をする人の数は限定的でしょうが、英国を始め欧州の多くの国々では上記のようなワクチンパスポート制度を活用し始めていることで、ほぼ海外旅行が行われなかった2020年から渡航者は急回復してきています。
日本も急ピッチでワクチン接種が拡大していますから、これ以上経済的な出遅れが起きないためにも早期に主要国とワクチンパスポート制度を結んで、より自由に渡航できるようになってもらいたいと期待しています。