ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、マネックス証券とdアカウントの連携など、証券会社の取り組みをいくつか解説する。(1/3から読む)−−−
マネックス証券とドコモのdアカウントの連携が開始
近年はポイントとの密接な関係が進んでいる証券業界ですが、マネックス証券とNTTドコモは9月27日から、同証券の証券総合取引口座とdアカウントの連携を始めました。これに伴い、従来付与されていたマネックスポイントはdポイントに代わり、たまったdポイントを投資信託の買い付けに使えるようになります。なお、連携時に保有していたマネックスポイントは自動的にdポイントに交換されるので、注意が必要です。また、投資信託の保有残高に対するポイント付与もdポイントになり、かつ2024年10月保有分からは計9本の投資信託に対するポイント付与率を0.08%から0.26%(年率)に引き上げ、より多くのdポイントがためやすくなります。
マネックス証券を利用しているdポイントユーザーの場合、アカウント連携によりポイントがたまるようになり、かつ投資信託の購入に充てられるのはメリットでしょう。他の加盟店で使うという手も考えられるでしょう。
マネックスポイントはマネックスカードの利用や投資信託の保有、株式の取引に応じて付与され、同ポイントも投資信託の買い付けやdポイントをはじめとする他社ポイントへの移行、寄付などに使うことができます。dポイント連携と大きく異なるのは、マネックスポイントはコインチェックを通じて暗号資産交換できることであり、このように使いたい人はdポイントとの連携は避けるべきでしょう。連携するとマネックスカードの投信積立決済でもdポイントが付与されるので、気を付けないといけません。
一方、NISAやiDeCoの普及により投信積立のサービスが当たり前となりつつあるなか、株式の積立サービスも徐々に普及し始めています。例えば、楽天証券は1000円もしくは1株から国内株式を積立できる「かぶツミ®」、auカブコム証券も単元未満株を毎月500円以上1円単位で購入することができる「プレミアム積立®(プチ株®)」、セゾンポケットも5000円からカード払いで国内個別株に積立投資できる「株つみたて」のサービスを提供しています。
これらに加え、SBI証券も国内株式積立サービス「日株(にちかぶ)積立」を始めました。購入単位は金額指定、株数指定の2パターンから選び、最低設定単位は1000円または1株からとなっています。
昨今は多くの証券会社が単元未満株取引を提供しており、少額で株式を購入できる機会が増えました。また、上場企業の株式分割も進んでおり、例えばソフトバンクなら株価は200円以下です(2024年10月下旬現在)。これを背景に、投資信託だけではなく個別株を定期的に購入したい人のニーズに応えるため、ネット証券を中心に株式の積立サービスを始めています。複数の銘柄がパッケージになっている投資信託に比べると、個別株の選定や目利きは難しいとされますが、定期的に一定額を買い増すことで平均購入価格が平準化される「ドルコスト平均法」により、リスクを抑えた投資もできます。こういったサービスは、さらに広がっていくのではないでしょうか。