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エアライン系プレミアムカードを極める:ANA編 2/3回

ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。プライベートやビジネスに何かと身近な存在だからこそ、本当の価値を知り、使いこなしていただきたいというのが目的だ。

今回は、ANAのクレジットカードについて取り上げているが、具体的にどういったプレミアム系カードがあるのだろうか。

エンリッチ プレミアムカード ANA

4種類のプレミアム系カードがラインナップ

現在、ANAカードからは、4種類のプレミアム系カードが用意されています。どれもが上級カードの名に恥じない特典を用意していて、付加価値という点では高く評価できます。そこで今回は、各カードの具体的な内容について触れていきます。

なお、ANAカードプレミアムの基本的なサービスは次の通りです。

入会・継続時ボーナスマイル:1万マイル
搭乗時ボーナスマイル:カード種類別積算率×50%
その他マイル関連:ファミリーマイル対応、一部店舗等の利用でマイル付与2倍
予約・空港:旅行傷害保険、ビジネスきっぷ、ビジネスクラス専用チェックイン、プライオリティ・パス
会員優待割引:機内販売10%オフ、ANA FESTA 10%オフ、astyle 7%オフ、旅行商品5%オフ、ビジネス公開講座15%オフ、空港免税店10%オフ
提携ホテル・レンタカー特典:提携ホテル宿泊割引、レンタカー割引、提携ホテル朝食・ウェルカムドリンク
電子マネー・付帯サービス:電子マネー・付帯サービス、Edyチャージマイル(一部カード)

こういった基本的なサービスに加え、各ブランドの特典がつくというのが大きな特徴。それぞれを見ていきましょう。

ANA VISAプラチナ プレミアムカード

年会費:8万円+消費税(家族会員:4,000円+消費税)
カードポイント⇒マイル:1,000円=1ポイント=15マイル(移行手数料無料)
海外旅行傷害保険:最高1億円 国内旅行傷害保険:最高1億円

VISAブランドの、ANAプレミアム系カード。1ポイント=15マイルと交換レートが高く、コストパフォーマンスが高い1枚です。入会時と継続時に1万マイルが付与され、ANAグループ便に搭乗すると、通常のフライトマイルに加えて区間基本マイレージの+50%が積算されます。

空港ラウンジについては、国内空港のANAラウンジは無料で利用でき、海外空港ラウンジはプライオリティ・パスを通じて利用することができます(別途要申込)。国内外の多数の有名旅館・ホテルが会員特別優待で利用できる「Visaプラチナクラブ」、海外パッケージ旅行などを会員特別価格で購入できる「Visaプラチナトラベル(海外)」も用意されています。

グルメやレジャーにも強く、東京・大阪を中心に約80店舗のレストランで2名以上のコース料理を利用した場合、1名分が無料になるグルメクーポン、国内外の名門ゴルフコースが優待価格で楽しめるといった特典もつきます。

もちろん、プレミアム系カードですから、コンシェルジュサービスも用意。航空券やホテル・レストラン予約など、必要な情報とサポートが24時間・年中無休で受けられます。年会費を考えれば、サブカードとして持つ選択肢もありそうです。

ANA JCB カードプレミアム

年会費:7万円+消費税(家族会員:4,000円+消費税)
カードポイント⇒マイル:1,000円=2ポイント=13マイル(移行手数料無料)
海外旅行傷害保険:最高1億円 国内旅行傷害保険:最高1億円

VISAブランドと同じく、比較的リーズナブルに持つことができる、プレミアム系カードです。マイルへの移行率は若干VISAに劣りますが、コストを考えれば、さもありなんといったところでしょうか。入会時、継続時のボーナ1万マイル、搭乗ボーナスマイルはVISAと変わりません。

ラウンジについては、国内線空港のANAラウンジ、海外ではプライオリティ・パスと、これもプレミアム系ではお馴染みのサービス内容ですが、一部国内ラウンジについては、同伴者1名が無料で利用できます。

当然ながら、コンシェルジュデスクは用意。24時間、365日利用することが可能です。
保険は海外・国内ともに自動付帯。年間最高500万円のショッピングガード保険も付帯します。

ANA ダイナースカードプレミアム

年会費:15万5000円+消費税(家族会員:無料)
カードポイント⇒マイル:100円=2マイル(移行手数料無料)
海外旅行傷害保険:最高1億円 国内旅行傷害保険:最高1億円

ダイナースプレミアムを冠したANAカード。ボーナスマイルの仕組みや空港ラウンジサービスは他のANAプレミアム系カードと変わりませんが、特筆すべきはマイル付与率の高さ。100円のカード利用で2マイル付くのは、群を抜いています。

また、このカードが素晴らしい点は、プロパーで提供されるダイナースカードプレミアムの特典が、すべて使えること。他のANAカードプレミアムでは、プロパーのサービスが一部制限されますが、このカードに関しては一切ありません。強いていうなら、プロパーでは年8万ポイントまでしかマイルに移行できませんが、このカードだと無制限になるといったくらい。

いうなれば、土台となるダイナースカードの特典にANAの特典が乗ったというイメージです。トータルで考えると、もっとも上級カードの名にふさわしいといえるでしょう。

ANA アメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード

年会費:15万円+消費税(家族会員:無料4枚まで)
カードポイント⇒マイル:100円=1ポイント=1マイル、ANAグループでは200円=5ポイント=5マイル(移行手数料無料)
海外旅行傷害保険:最高1億円 国内旅行傷害保険:最高1億円

ANAプレミアムカードのなかで、もっとも後発だったのが、ANAアメックス・プレミアムカードです。基本的な特典は他のカードと同じですが、ポイントについては、ANAグループでの利用に限り、2.5倍になります。家族カードが4枚まで無料で持てるので、マイルが貯まりやすいというのもポイントです。

また、カードを更新すると国内対象ホテルの1泊無料宿泊券が受け取れる「フリー・ステイ・ギフト」があるなど、トラベル・エンタメに強いアメックスならではの特典もあるようです。

以上が、現時点でANAから発行されている、プレミアム系のカードです。なお、VISA、JCBについては直接申し込みができますが、ダイナースとアメックスは招待制になっています。持ち方としても、すでにプロパーのブラック・プレミアム系カードをお持ちでしたら、基本的な特典が受けられる「ANAワイドゴールドカード」、あるいはリーズナブルなVISA、JCBプレミアムカードをサブとして保有するという選択肢が考えられます。そうすることで、メインカード+ANAカードの特典が使えるようになりますから、シーンに応じて使い分けることで、よりカードの付加価値を発揮できるようになります。

 
4種類のラインナップがあり、共通・独自の特典が受けられる、ANAプレミアムカード。エアラインの利用が多い、マイルを集中的に貯めたいというユーザーには、持っておいて損はないだろう。

それでは次回は、ANAが提供する最高峰のサービスを受ける方法について解説。搭乗する機会が多ければホルダーになれる、「ANAスーパーフライヤーズカード」について紹介しよう。


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菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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