これまで超富裕層や企業エグゼクティブ向けのサービスと思われてきたプライベート・ジェット市場が大きく変わろうとしている。インターネットによる最適化は、プラべート・ジェットの世界にも変革をもたらしている。
米国の飛行機事情は悪い
米国は日本と比較すると当たり前のようにプライベート・ジェットが使われている。その理由は米国のエアラインのサービスがかなり粗雑だからである。米国では飛行機が日常の足としてあまりにも普及しているため、もはや飛行機は路線バス並みの扱いである。ファースト・クラスに乗っても席は狭く、あまり良質なサービスは期待できない。遅延もしょっちゅうだ。
このため富裕層や企業の経営幹部の中には、定期便を利用することを嫌がり、プライベート・ジェットを使う人が結構いる。米国には2万機を超えるプライベート・ジェットが存在しているといわれており、米国の大都市近郊にあるプライベート・ジェットの飛行場に行くと、ひっきりなしにこうした飛行機が離着陸している。
プライベート・ジェットを自ら所有し、自分専用に運用しているのは、超富裕層などごく一部である。多くのプライベート・ジェット・オーナーは、利用しないときには、飛行機を貸し出し、そこからのレンタル収入で高額な維持費を捻出しているのだ。
またリゾートホテルのタイムシェアに近い形態で、1機の飛行機を大人数で所有するシステムもたくさん存在しており、比較的少額でプライベート・ジェットのオーナーになっている人も多い。
このように、米国ではプライベート・ジェットはそれほど特別な存在ではない。だが、普及しているといっても、やはり利用料金はそれなりの金額となっている。利用する距離や機材によって値段には幅があるが、小型機の場合、最低でも1時間5000ドル(約51万円)程度は必要となる。
しかしネットの登場でこの分野にも価格破壊が起こりつつある。ネットを使ったプライベート・ジェットのブッキング・サービスが急拡大しているのである。
Webサイトでのプライベート・ジェットの予約は簡単だ。従来のエアラインの予約サイトと同様、日程、出発地、目的地、人数などを入力すると、そのスケジュールで飛ぶことができるプライベート・ジェットの一覧が表示される。機材や価格などから、好みのものを選択して予約するだけでよい。