ロボットはオフィスの仕事も大きく変えることになる
こうした製品やサービスは、今のところ個別に存在しているだけである。家電をネットにつなぎネットワーク化することはかなり以前から構想されていたが、仕様をどのように統一化するのかという部分と、人間とのインタフェースをどうするのかという部分がネックになって、本格的な普及には至っていなかった。
しかし、ロボット(R2D2のようなものが、高さ20センチくらいになったものを想像してみて欲しい)が各家庭に1台ずつ普及し、こうした家電やパソコン、スマホ、あるいはネット上の各種サービスと連携されるとしたらどうだろうか?
例えば家庭のロボットは、冷蔵庫と通信して中身をチェックし、時々が「ビールを買い足しておきますか?」と聞いてくることになるだろう。さらに「ネット買うのなら、僕がアマゾンで注文しておきます」とまで言ってくれるはずだ。つまり機器を操作しなてくも、利用者の行動を先回りして動いてくれるのである。
こうした機能は当然、オフィスでも応用が可能である。
英国のオックスフォード大学では、どのような職種がロボットに置き換わるのかを予想したレポートを発表している。それによると、ロボット(あるいは人工知能などのIT)に置き換わる確率が高い仕事は、現在、存在している仕事の半分近くに達する。
ロボットに置き換わる可能性が高いのは、単純な事務作業、ルート営業、各種サービスなどの分野だという。かつて産業用ロボットは工場労働者の雇用を奪ったが、新しいロボットは、ホワイトカラーの職を奪う可能性があるということになる。
一方で、高度な人的コミュニケーションを必要とする職種や、マネジメント業務へのニーズは逆に高まってくるとオックスフォードのレポートは指摘している。アイデアやコミュニケーションに強みを発揮し、ロボットを使いこなす側に立つことができた人には多くのチャンスが舞い込んでくることになるだろう。
評論家
東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事、
その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。
マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う。
億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)
加谷珪一のブログ http://k-kaya.com