ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

インタビュー|加藤昌治
アイデアパーソンになる方法(前編)

アイデア出しはスポーツに似ている

エンリッチ 加藤昌治

それはスポーツと同じです。というのも、スポーツには競技ごとにルールや、それに合った身体の動かし方があり、仮に野球がうまい人が練習もしないでバスケットボールをやったとしても、すぐにはうまく立ち回ることはできません。ルールや身のこなしを頭と身体で学ぶことにより、切れのあるステップを踏めるようになるのです。

アイデアもそれは同じで、良いモノを多く出すには特有のルール、頭や手の動かし方があります。ところが、その点が体系化されていなく、ビジネスの現場でも「いきなり考えろ」「知恵を絞れば出てくる」と、いきなり試合に出場させられるようなもの。これでは納得のいくパフォーマンスは期待できません。

そこで提案するのが、発想法の活用です。もちろん、発想法を使えば必ずしも良いアイデア、多くの選択肢が出るとは限らないのですが、使わないよりは使ったほうが身のこなしは早くなるでしょうし、補助的役割としては有効なはず。何度も繰り返してトレーニングを積めば、頭の使いかたも慣れてくるのではないでしょうか。やはりスポーツと同じで、発想法を駆使してアイデアをたくさん出すという練習を積んでおけば、いざという時に役立つということです。

−−−一般的に良いアイデアというと、奇抜さや真新しさを期待するが、加藤氏は平均点は低くても「多くの選択肢を出すことが重要」と説いた。アイデアを出す側、求める側としても、発想に対するハードルは下がったのではないだろうか。

次回は選択肢を出すための環境づくりについて掘り下げる。

→次回へ


加藤昌治(かとう・まさはる)
株式会社博報堂勤務。新商品発売・新事業開始などのマーケティングPR領域と、M&A・事業統合などのコーポレートPR領域の戦略・企画立案、実施を担当。2005年度に日本PR協会主催の「PRアワード」でグランプリを受賞するなど多数の受賞歴を持つ。主な著書に『考具』(阪急コミュニケーションズ)、『アイデア会議』(大和書房)、『アイデアパーソン入門』(講談社)、『企画のプロが教える「アイデア講義」の実況中継』(三マーク出版)。4月には『発想法の使い方』(日経文庫)を上梓した。

加藤氏オフィシャルサイト: 考具Web!



『発想法の使い方』

加藤昌治著
日経文庫 860円(税別)

アイデア発想は頭のスポーツだ!

加藤氏が自ら実践するアイデア発想法を
練習ノート感覚で解説した新書は全国書店にて発売中。



TEXT:大正谷成晴

エンリッチ編集部

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