エンリッチでもお馴染みの人気評論家、加谷珪一氏。独自の視点で経済やビジネスに切り込む姿勢が好評を博している。
そんな加谷氏が、7月に『お金持ちになる習慣「生きたお金の使い方が身につく本」』(清流出版)を上梓。これを機会に、これまでの軌跡と富裕層に対する独自の解釈を語っていただいた。
起業をきっかけに、成功者の普遍性をリサーチ
――『お金持ちの教科書』や『億万長者の情報整理術』など、富裕層を分析した書籍を世に送り出してきた、加谷氏。この度の新刊で6冊目になるという。
私自身は、元々普通のサラリーマン。大学を卒業後、最初はビジネス系出版社に勤め、次いで投資ファンドの運用会社に転職し、企業評価や投資業務に従事しました。オーナー社長など典型的な富裕層に会う機会が多かったのですが、それが人生の転機になりました。
彼らは類まれな才能があり、常識とは異なるモノの考え方をすることが多く、非常に新鮮。次第に、私も成功するにはどうすればいいのかと思うようになり、会社を辞めて起業するにあたり、成功者のパターンを法則化して自分に当てはめれば、サクセスの確率が上がると考えました。個性が強いので特殊なことを言っているように見えますが、裏にある法則を整理すればそれほど難しくない、真似ができるということです。
実践したところ、設立したコンサルティング会社の経営もうまくいき、現在は億単位の資産を運用するまでに至りました。
多少はお金持ちと呼ばれるところまで駆け上がることができたわけですが、それがひと段落したとき、富裕層になるためのノウハウには普遍性があるので多くの人に伝えたいと思うようになりウェブサイトを始めたら好評で、書籍のお話もいただくように。それまでは成功者みずからがヒストリーを語ったり、税理士やFPがお金の管理を指南するという視点で書かれた「お金持ちを目指す」本はあったのですが、私のように直接ど真ん中で本当のところどうすればいいかというアプローチの本はなく、お陰さまで大きな反響をいただくことができ、7月にも6冊目の著書を上梓したというわけです。