成功者に共通する思考や行動パターンとは?
エンリッチの読者は富裕層、あるいはビジネスエリートとお聞きしているので、釈迦に説法かもしれませんが、ご自身を振り返るためにもお聞きいただけると幸いです。
先ほど申し上げたように、成功者の言動には共通性を見いだすことができ、普遍性が見受けられます。性格や個性が時代に合っていた、運が良かったという方もいますが、運も実力のうち。逆に、強運の持ち主にあやかったところでうまくいきません。そうではない、成功するべくしてブレイクスルーした方々の行動パターンや施行回路には明確な法則性があり、とても参考になります。
例えば、彼らは非常に合理的。身も蓋もありませんが、長期と短期の損得勘定をしたうえで、物事を考えているはずです。傍からすると「なぜこんな行動をするのか?」と思われるでしょうが、全体を俯瞰して眺めると合理的な行動になっている。これを毎日積み重ねているのとそうでないのとでは、5年後10年後の差は歴然です。皆さんも、思い当たる節はあるでしょう。
合理的であることを示すエピソードとして、成功者は仕事とプライベートに敷居がありません。私の場合、サラリーマン時代は会社にいる時間、自宅にいる時で、両者は切り分けて考えていました。ですが、自分で商売をやっている人は、それこそ家で奥さんと話をしながら、お客が来れば接客するというように、公私に隔てはないのです。よくよく考えるとその方が合理的で、ふたつの人格にわけるより統一した考え方や価値観で動いている方がムダはありません。
ですから、もし「両者は分けた方が良い」と思っている方がいるなら、果たして得なのだろうかと考え直すことです。実際のところ、プライベートの人脈から得た情報が仕事に役立つこともあれば、その逆もしかり。自分の価値を最大化するためには、どのように動けばいいか考えて行動する人こそ成功しますが、合理的な言動はそのひとつだと思います。そもそも、富裕層になるとお子さんへの資産相続も含め、望んでも公私を切り分けることは困難です。
人脈が広いことも特徴です。これも考えればわかることですが、仕事関係だけに付き合いが限定されると、単一の価値感に縛られ情報源も狭くなり刺激に乏しくなります。そこでもう一歩、自分にはどういう交友関係がプラスに働くのか戦略的に考えた上で人付き合いをしたほうが、チャンスをつかむ確率も高くなるというもの。現実でも、人脈を広げるなかで関係性が深まり「こんな話があるのだけど…」とチャンスが舞い込むケースが多いようです。
また、事業オーナーであれば社内ではリーダー的立場なので、周りに相談できず、ひとりで決断に迫られることも日常茶飯事。同じような立場の人だと悩みも共有できますし、共感もできます。結果的に類は友を呼び、入ってくる情報の量や質が異なってくるように。お金持ちがお金持ちになりやすいというのは、そういった面もあるからでしょう。