E:痛烈な一言ですね。それを言っていただいて、何を感じたのですか?
森「自分の行動や活動に消極的だったことに気付いたんです。できることとできないことを自分で勝手に選り分けてしまっていたな、と。できないことをやらないという考えではなく、この人のためにやってみたいと思えることを見つけなくてはいけないと気付けました。それが自分の成長になる、そして笑顔をいただく源泉になると理解できたんです」
E:今、それを実践しているのはどんなときですか?
森「ダンススクールで教えているときでしょうか。MISS UNIVERSEを次の世代に譲ったあと、自分が今までやってきたダンスで人の夢をかなえる仕事をしたいと思っていまして、今、ダンススクールで子どもたちに教えているんです。彼女たちが成長してプロダンサーとして活躍するのは私も夢ですし、近い将来、彼女たちが思う存分踊れるようなダンスシアターも作りたい。その夢に準ずると、生徒たちは私にとってとても大切な人たちなんです。大切な人を喜ばせたいという気持ちで、今、スクールに取り組んでいますね」
かっこいい男性はここが違う
E:立場は違えど、世の男性も大切な人を喜ばせたいという思いで女性に接すると、もっと女性は幸せになれそうですね。
森「そうですね。でもやはり基本的な男性の魅力といいますか、男性としての品格といいますが、そのような前提は当然ありますけどね(笑)」
E:それはどんなものですか? つまり森さんにとってかっこよく映る男性とは。
森「まず清潔感がある人です。たとえば匂いに気を付けて、きちんと香水をつけていい香りを身にまとっていたりとか。あとはよく食べる人。しっかり食べる人って基本的に明るいじゃないですか。食は人と人が共感し合いやすい部分ですから、「おいしいね」と言い合える関係は理想的です。そして整理整頓がきちんとできる人。潔癖ということではなく、整理整頓ができる人は、頭の中も整理できていますから、話していて気持ちがいい。その人の周囲がなんだかきれいな空気になるような、そんな印象すらありますね」
E:男性の場合、そういう方はとても女性から支持を得そうですね。モテそうです。
森「世間一般でよく言われている『モテ』と、女性から本当に好かれる魅力は違うように感じますね。確かにルックスがよくて、お金もあって、人当たりのいい人はモテると思います。でも、そこで自分がモテているということを、自分だけのメリットにしてしまう人はあまり好感を持てませんね」
E:それはモテるからといって、女性に開放的になりすぎている男性ということですか?
森「言い換えればそうです。たとえば奥様や彼女がいるのに、ちやほやされているという事実だけで満足している男性は、結局自分のことしか考えていない。人気があること自体はいいことだと思うんです。でも大事な人たちが心配になったり、不安を感じたりするようなことがないように、守りながらも人気があるというのが真の魅力なんじゃないかな」
E:女性からすると、そういう男性がパートナーであることは嬉しいことでもありますよね。
森「自分のパートナーが憧れの目線を向けられるのは嬉しいことなんですよ、女性からすると。でも素直に喜べるかどうかは、相手がもたらしてくれる安心感に左右されますね。いつどこで気が変わるかわからないパートナーだと、喜んではいられませんから(笑) 女性の気持ちの上にあぐらをかいて、女性の気持ちをケアしない男性は、どれだけ容姿が良くても、お金を持っていようとも、本当の意味での男の魅力を兼ね備えてはいないと思います」
森理世が考える本当の男の魅力。それは『心意気』があるかないかの違いだという。人間味があり、誠実で、相手の思いや立場を汲んで深く考えてあげられる、大きな愛を持っている男性だ。愛と言うのは単なる恋愛感情ではなく、人としての愛情だ。同性や子どもに対しても、相手のためになる存在でいてあげられる人。そういう男性を見ると女性は胸が熱くなると太鼓判を押す。さて、お読みいただいたあなたは、いかがだろうか。
森 理世
静岡県出身。MISS UNIVERSE 2007世界大会優勝者。19歳でMISS UNIVERSEに応募し、20歳で世界大会の王冠を手にする。歴代最長となる14ヶ月の任期中、HIV/AIDSほか世界各国の社会問題のスポークスウーマンとして活躍。チャリティイベント・ボランティア活動を通じて世界15ヶ国を巡り、啓蒙活動を行った。任期を終えた後は、モデル活動のほか、幼少から続けていたダンス経験を活かし、母との夢であったダンススタジオ「I.R.M.アカデミー」を設立。アーティスト兼ディレクターとして指導にあたっている。
Stylist: 菅原麻里(Mari Sugawara)
衣装協力
ワンピース/DIANE von FURSTENBERG (03-6748-0514)
ピアス、ブレスレット/グロッセ (グロッセ青山本店03-5775-2787)
撮影協力:アニヴェルセル カフェ&レストラン 〒107-0061 東京都港区北青山3-5-30 【営業時間】 10:00~23:30 (土日祝9:00~23:30) ※年中無休 【TEL】03-5410-8988 【URL】http://cafe.anniversaire.co.jp/ |