学歴が高いとお金持ちになれるのかというと必ずしもそうではない。いい学校に入り、いい会社に入ってそこそこの給料をもらうということであれば、圧倒的に高学歴者が有利だが、資産家への道ということになると話は別だ。
お金持ち本では世界的なベストセラーとなった「金持ち父さん・貧乏父さん」における貧乏父さんは、インテリなのにお金に苦労している典型例といってよいだろう。
ただ、成功して資産家になった人を見ると、総じて頭がよい。学歴は別にして、明晰な頭脳を持つことはやはり資産家への近道といってよいだろう。
天才的な頭脳を持った低学歴な人々
消費者金融の武富士を創業した武井保雄氏は、国民学校高等科出身(今でいうところの中学校)である。消費者金融業界は、いろいろな社会問題を起こした結果、実質的に解体再編されてしまったが、1990年代後半までは、世界が注目する巨大産業であった。
業界最大手である武富士には、世界の投資銀行が資金調達や投資のために日参していた。武井氏は、会社の財務や市場に関する細かなデータを、メモなどを見ることなく、まるでコンピュータのように暗記して説明していたことで有名であった。武井氏は、確かに学歴は低かったかもしれないが、相当、頭のよい人物であったことは間違いない。
実業界から政治の世界に入り、圧倒的な資金力で総理大臣まで上り詰めた田中角栄氏もかなりの暗記力を持っていたことで知られている。官僚をコントロールするには人事が重要であるという理由から、人事の要である官僚の入省年次をすべて頭にたたき込んでいた。田中氏も現在でいうところの専門学校卒である。
筆者の知る資産家には、高学歴者もいるがそうではない人もいる。だが、ほとんどの人が、自身の考え方を論理的に説明することができる。やはりお金持ちになれる人は、相当、頭がいいようである。
つまり、頭がいいことと学歴が高いことは必ずしも一致するわけではないようなのだが、一方で、いわゆる頭がよいことと、学校の成績には緩い相関性があるとの研究結果もある。このあたりはどう考えればよいのだろうか?