専門的な話になりますが…自信には、いまやっていることに対する自信(表面的な自信)と、その底に流れている根本的な自己信頼感の2種類があり、仮に目先の仕事でミスをしたとしても自分を責めず「うまくいかないな」と思うだけで十分。「自分は大丈夫」と、根本的な自己信頼感に問いかけ、揺るぎない心を確認すればいいのです。
先にも述べましたが、物事は大抵2分の1の確率で、白に転べば表面的な自信になり、黒に転べば自信をなくします。取り組む仕事において、それはつねづね左右されますが、根本的なものとは異なりますから、表面的な自信の喪失で、自分をすべて否定するなんてナンセンスだということです。
ならば、根本的な自己信頼感が必要になるわけですが、それには、まずは何か一つでも達成したという既成事実作っておき、自分に言い聞かせておく習慣を持つこと。あるいは成功日記をつける、失敗した時に反省するのではなく、成功した時にこそ原因と結果を対比して成功の方程式を導き出すというのも、自分自身の心を鍛えるセルフコーチングのテクニックです。
過度にリスクを追うのは
バランス感覚を失っているから
心身のバランスが崩れていないかセルフチェックするには、リスクの取り方を振り返ってみると簡単です。極端な例ですが、1億の資金があったとして、9900万円を先の不透明な事業に投じるのは、明らかにリスキーなこと。まともな経営者であれば、決してしませんよね。無理のない範囲でリスクを取っていくのが、事業継続のセオリーでもありますから。
ところが、「一世一代の博打」とばかり、賭けに打って出る経営者もいるんです…。うまくいけば武勇伝になりますが、現実はドラマと違います。正直なところ、1人なら勝手にどうぞともいえますが、社員を抱えているならば、無謀で無責任な行為と後ろ指を指されても仕方ありません。
ですから、こういった場面に直面した時、極端なことをしそうになれば心のバランス感覚を失っているということです。
思いとどまり、心身をリラックス、リフレッシュして、新たに向き合ってみましょう。
*この記事は2016年10月に掲載されたものです
一流だけが知っている自分の限界を超える方法
KADOKAWA/中経出版 1,404円
名だたるトップアスリートが指名するメンタルトレーナーである著者が、彼らと真剣に向き合う中で見出した「人間は本来負けたがっている」というオリジナルのスポーツ心理学をベースに、「勝ち」への執着を捨て、限界突破のための「負け」を知る究極の方法を説く。
高畑好秀 公式サイト: www.takahata-mental.com