メンタルトレーナーの高畑好秀氏が、悩めるエンリッチにアドバイスする本コラム。意外な視点からの言葉に、思わずハッとさせられるかもしれません。今回は「アイデア」をフックにトピックを展開します。
スポーツもビジネスも
発想力が明暗のカギを握る
メンタルトレーニングの目的のひとつに、「発想力を磨く」ことが挙げられます。アスリートであれば、うまくなるための練習方法を見つけるにはアイデアが求められますし、ビジネスでもプロジェクトを成功へ導くには、柔軟な発想が必要に違いありません。とりわけ、私の経験でいうと、スポーツの世界はアイデアのある人が生き残っているように感じます。
例えば、現在はスポーツキャスター、タレント、NHK大相撲の解説者など、幅広いジャンルで活躍している、舞の海秀平さん。彼の身長は169cmと力士としては小柄で、日本相撲協会の新弟子検査の基準に達しないため、一度は不合格になってしまいました。ところがその後、手術でシリコンを頭部に埋め、身長をかさ上げして合格をつかんだエピソードは有名です。力士になった後も多彩な技で大型力士を倒し、バラエティ豊かな取り口は「技のデパート」と呼ばれるほど。フィジカル面での弱点を克服するため、さまざまなアイデアを駆使して現役時代は活躍しました。発想力で成功を収めた好例です。
では、どうすればアイデアは次々と湧いてくるのでしょうか。私は「固定観念にとらわれない」「自発的に動き・試す」ことが大事だと考えています。反対に、「こうに違いない」といった思考に縛られたり、「受け身でいわれたことしかしない」という姿勢だと、発想力は鍛えられません。好奇心旺盛な方が情報収集や試すことに前向きになりますし、試すことでアイデアの歯車は回り始めます。