何かを始める前から
結果を求めてはいけない
では、組織の風通しを良好に保つには、どうすればいいのでしょうか。私は、「やる前から成果を求めない」ことが第一だと考えます。
人はつい、「彼なら大丈夫」「期待しているから」といった思い込みから、周囲に対して何かと結果を求めます。ところが受け手側からすると、過剰な要求はプレッシャーにしかなりませんし、メンタルにも悪影響を及ぼすだけ。これが理由で挫折してきたアスリートを、私は何人も見てきました。そもそも、人はストレス下に置かれると十分にパフォーマンスを発揮できません。
むしろ、経営者やリーダーに求められるのは「やってみなさい」という、緩やかなスタンスです。もちろん、明らかに失敗が目に見えるようなことを勧めるわけにはいきませんが、成否が五分五分なら、あえて、結果がわからないことでも、背中を押してあげればいいのです。
リスクは伴いますが、予算の配分などマネジメントを徹底して、仮にうまくいかなくても被害は最小限に抑えればいいのです。それこそ、経営者やリーダーに求められる役割です。
いきなり大役を任せるのではなく、小さな成功体験を積ませていくのもポイントで、ステップを踏んで部下を成長させていくと、本人の自信につながりますし、「過度に成果を求めずに任せてもらえる」環境があることで、やる気、組織に対するロイヤリティの向上にもなっていくに違いありません。
*この記事は2017年2月16日に掲載されたものです。
高畑好秀 著
一流だけが知っている自分の限界を超える方法
KADOKAWA/中経出版 1,404円
名だたるトップアスリートが指名するメンタルトレーナーである著者が、彼らと真剣に向き合う中で見出した「人間は本来負けたがっている」というオリジナルのスポーツ心理学をベースに、「勝ち」への執着を捨て、限界突破のための「負け」を知る究極の方法を説く。
高畑好秀 公式サイト: www.takahata-mental.com
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