メンタルトレーナーの高畑好秀氏が、悩めるエンリッチにアドバイスする本コラム。意外な視点からの言葉に、思わずハッとさせられるかもしれません。今回は「ストレス」について考えます。
好きなことをしているなら
労働時間はストレスにならない
日本人は諸外国に比べて労働時間が長く「働きすぎ」だとよく言われます。2017年2月末からは、毎月最終金曜日は15時で仕事を切り上げるという「プレミアムフライデー」がスタートしましたが、導入した企業は、わずか2.5%。初となる2月24日に実施した企業は、0.1%だったそうです。いきなり「働き方改革を!」と叫ばれても対応するのは難しいでしょうし、仮に下請け企業が取り組み始めたとしても、取引相手がやっていなかったら、嫌味のひとつも口にされるのでは…。そもそも、1980年代後半から週休2日制は始まりましたが、定着するまでにはかなりの時間を要しました。今回の施策も一筋縄ではいかないと思います。ビジネスパーソンのほとんどは、せっかく労働時間が減るというのに「そんなのムリ」と、歓迎ムードでもないようで、普段の業務が多く、いまのところ現実的な施策ではないというのが、実際のところでしょう。
一方で、日本の労働環境で、あまり褒められない部分も所々見受けられます。過労自殺は後を絶ちませんし、ブラック企業という言葉も一般化しました。日々、仕事にストレスを感じている人は少なくないと思います。エンリッチ読者には、経営者やビジネスエリートが多いでしょうから、こういった施策を機に、自分や周囲の働き方に目を配るのはいいかもしれません。
ところで、自分自身はどうでしょうか? もし、日々ストレスに悩まされているとしたら、私は、みずからのビジネスについて振り返ってみることをお勧めします。
そもそも、起業家はサラリーマンと異なり、労働力を時間で売り買いしているわけではありません。どちらかというと、時間のことなど気にしないで、自己実現に邁進していることと思います。むしろ、仕事について考えるのは悪いことではなく、とりわけベンチャーの成長フェーズであれば、そうあるべきです。ビジネスであればアスリートであれ、寝食を忘れて取り組む時期はあり、皆さんが当時を振り返り「楽しくも充実した時間だった」と述べています。