メンタルトレーナーの高畑好秀氏が、悩めるエンリッチにアドバイスする本コラム。意外な視点からの言葉に、思わずハッとさせられるかもしれません。今回のテーマは「苦手な相手」。皆さんは、どのように対処していますか?
苦手な相手こそ、ゲーム感覚で攻略すればいい
ビジネスを手がけていると、社内外で多くの人と出会いがあると思います。年齢や性別、バックグラウンドが異なる相手とコミュニケーションを深め、提携や協業するなど、両者にとって望むべきゴールに持っていけるよう、自身の手腕が試される場面ともいえるでしょう。あるいは、ビジネスのつながりをきっかけに人脈が広がり、新たなチャンスをつかむなんてことも…。いずれにしろ、誰かと接するということは非常に重要であると同時に、避けて通れない道だと思います。
とはいえ、誰もが自分自身とウマが合うわけではありません。考えかたや性格、ビジネスに対するスタンス…それは十人十色であり、なかには苦手な相手もいるはずです。私も打ち合わせなどで多くの人に会いますが、すべてがウェルカムという感じではありません(苦笑)。
ただし、相性が良くないという理由で敬遠したり、言葉数を減らすなど、ネガティブなコミュニケーションは決して取りません。私の場合は、そういった時こそ、「相手を納得させる」「面白い奴だ!」と思ってもらえるよう、策を講じるのです。言うなれば、苦手なゲームを攻略するような感覚といったところでしょうか。
例えば、自分とは考えかたが正反対の取引相手がいたとします。そこで、自分の意見ばかりを押し付けていても、納得は得られません。ならば、相手の立場に立ちつつ、ですが自分の芯となるスタンスは崩さず「こういった言い回しなら誤解を生まない」「理解が得やすい」「わかりにくいことはわかりやすく」など、アプローチを考えていくのです。これって、とても面白いプロセスで、実際にうまくいくと達成感は半端ありません。同時に「自分の接し方によって相手の態度は変わるし、相手の新たな一面に気づくことができた」と、コミュニケーションに対する次回や反省、発見につなげることもできます。