メンタルトレーナーの高畑好秀氏が、悩めるエンリッチにアドバイスする本コラム。意外な視点からの言葉に、思わずハッとさせられるかもしれません。今回のテーマは「公私の区別」。分けた方がストレスは溜まらなさそうですが、実際はどうでしょうか？

ワークライフバランスの取り方は
自身のメンタルとの兼ね合いで決める

昨今、日本では「ワークライフバランス」をはじめとする「働き方改革」に対する議論が進められています。少子高齢化が進展し現役世代が減っていくわけですから、労働の効率化は重要ですし、残業を前提とした長時間労働は是正されるべきでしょう。

「起業家や経営者には関係ない」という声もあるでしょう。自身がリスクを取りビジネスを成長させるわけですから、四六時中働きたいという人がいてもおかしくありません。ただし、それはトップにだけ当てはまる話であって、従業員に対しては法令遵守を徹底するなど、しっかりとしたケアを心がけるべきです。組織＝チームですから、メンバーのパフォーマンスが最大限発揮できる環境を整えるのも、リーダーの務めです。

では、すべての人にとってビジネスとプライベートはしっかりと区別した方がいいのかというと、必ずしもそうではないと思います。とりわけ、起業家であればビジネスは気になって仕方がないでしょうし、仕事が生きがいであれば、プライベートが多すぎてもストレスになるかもしれません。好きな仕事であれば、周りに迷惑をかけないことを念頭に、存分に時間を割くのは悪いことはありません。

実際のところ、ビジネスリーダーのプライベートとビジネスは繋がっていることも多く、休みの日であっても何かからヒントをつかもうとしたり、ハッキリわけていないようです。

これはプロのアスリートも同様で、彼らはオフシーズンであっても自主トレはもちろん、競技を考えたライフスタイルを送っています。ビジネスとプライベートは緩やかに繋がっていますが、それは当たり前の話で、ストレスでもないようです。プロとしての自覚もあるでしょうが、根底にはビジネス＝スポーツに対する誇りや愛情が、そうさせるのではないでしょうか。ビジネスパーソンでも同じことだと思います。