ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

「リスクマネジメント」との向き合い方

心の中にブレーキを自覚すれば
リスクを抑えられるようになる

「これくらいなら大丈夫」「わかりはしない」という甘い囁きがリスクを招くことは言うまでもありません。だからこそ、自身の心の中にブレーキを用意しておくことは肝心です。そもそも、人はウソをつくとき、「マズい」「大事になる」と理解していても、それを止めることができません。人ごとのようにとらえてしまうのか、もしくは組織として止まれないのか、諦めてしまっているのか……。ただし、そんな時ほど「最悪、どうなってしまうのか」を具体的にイメージして、心にブレーキをかけることです。ハッキリとした姿が思い浮かべれば、それは抑止機能として働きます。

また、人がリスクを冒してしまうのは、心に焦りがあるからです。ビジネスであればPDCAのサイクルを回し、タイムスケジュールもチェックしながら、メンタルが乱れないように進めていくこと。風通しの良さ、報連相のプロセス、理念の共有、モラルの醸成なども必要ですが、こういった風土を組織レベルで根付かせると、リスクヘッジに効果的です。

あるいは、人は調子が良いと時間を早く感じ、反対に悪いと遅く感じます。メンタルの上下で内的時間に乱れが生じるわけですが、ネガティブな方向に行くとますます時間の流れを遅く感じ、焦りを募らせていくようです。そういった時は、腕時計の秒針の動きに合わせて心の中でカウントをして、焦った気持ちで変化した内的時間を調整することをお勧めします。そうすれば気持ちが落ち着いていきます。

*この記事は2019年5月に掲載されたものです

高畑好秀

高畑 好秀 (たかはた・よしひで)

メンタルトレーナー。1968年、広島県生まれ。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科スポーツ心理学専攻卒。日本心理学会認定心理士資格を取得。同大学運動心理学研修生終了後、数多くのプロ野球、Jリーグ、Vリーグ、プロゴルファーなどのプロスポーツ選手やオリンピック選手などのメンタルトレーニングの指導を行なう。著書に『一流だけが知っている自分の限界を超える方法』(中経出版)など。スポーツ、ビジネスのメンタルに関する著書は70冊を超える。

連載コラム

高畑好秀氏著書
高畑好秀 著
 
一流だけが知っている自分の限界を超える方法
KADOKAWA/中経出版 1,404円

 
名だたるトップアスリートが指名するメンタルトレーナーである著者が、彼らと真剣に向き合う中で見出した「人間は本来負けたがっている」というオリジナルのスポーツ心理学をベースに、「勝ち」への執着を捨て、限界突破のための「負け」を知る究極の方法を説く。
 
高畑好秀 公式サイト: www.takahata-mental.com

高畑好秀

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