富裕層が抱える悩みの一つに、心から信頼して付き合える友人が少ないというものがある。一方、あまりお金を持っていない人たちの一部からは、富裕層は性格が悪いので人から嫌われやすいのだという声も聞こえてくる。ミリオネアの性格が悪いのかどうかはともかくとして、彼等に友人が少ないのは事実である。

富裕層の人が、あまり友達と親しく交わっていない理由は3つある。

ひとつは、富裕層の数が少なく、同じ富裕層同士の場合、仕事や投資などで何らの利害関係が生じている可能性が高いからである。富裕層の中にはビジネスで成功している人も多く、それこそ知人というレベルでいけば、星の数ほどの知り合いがいるかもしれない。

しかし、その中で、同じような生活環境で、話が合いそうな人ということになると、世間は狭いもので、何らかの形で自分のビジネスと関係してきてしまうのだ。そうなるとやはり仕事の延長線上という形になり、互いに家に呼び合い、親しい関係を築いたとしても、そこには一種の緊張感が介在することになる。

海外ドラマをよく見る人であれば、ホームパーティと言いながら、そこには仕事上のシビアな人間関係が支配する米国のビジネスマン社会の様子をイメージできるかもしれない。基本的にはそれに近い状況と考えればよい。それを楽しめる人はよいが、いわゆる日本型社会のお友達ではない。