ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

富裕層はなぜ自分のお店を持ちたがるのか?

kaya201705

富裕層の中には自分のお店を持つ人が結構いる。飲食店の経営を本業としているわけではないのに、わざわざお店を持つのはどのような理由からだろうか。

勝負ディナーではどの配置で座るのがベストか?

その理由は意外かもしれないが、自分でお店を持った方が、最終的なコストが安く済むからである。もちろん、食事の時に都度、お金を払って飲食店を利用した方が絶対的な金額は安く済む。筆者も以前はお店を所有していたことがあるのでよく分かるが、実際に店舗のオーナーということになると、結構な出費を覚悟しなければならない。だが、あらゆる面をコスト換算すると、お店の所有は実は経済的だったりする。

富裕層の中でもビジネスで成功した人にその傾向が顕著だが、食事の場でのコミュニケーションには多くの人が、相当の気を配っている。会食というのは、忙しい日々の中で、わざわざ夜の数時間をお互いに確保し、食事やアルコールを共にするという行為である。特に時間が貴重な富裕層にとって、会食をする相手というのはそれなりに意味のある人物でなければ割に合わない。

会食にはお金を惜しまないという成功者が多いのは、成功してお金があるので食事にふんだんにお金が使えるのではなく、多くのお金を投じても惜しくない人としか会食はしないからである。

仕事であってもプライベートであっても、自分が大事と思う人と同じ時間を過ごすのであれば、その時間は完璧にマネジメントしたいと考えるはずだ。その点において、自分の理想を満たすお店を見つけるのはそう容易ではない。

ここで一つの質問をしてみよう。ある日のビジネス・ディナーで勝負をかけたいと思った時、あなたは相手とどのような向きで席に座るのがよいだろうか。こうした食事に慣れている人ならすぐにお分かりだと思うが、答えは正面ではなく斜め45度である。

これは異性を食事に誘う場面を想像してもらえば分かりやすいだろう。それほど、お互いを分かっていない段階であれば、食事に行くときはテーブルに45度で座る配置がよい。正面を見据えた状態では、会話が途切れた時に困ってしまうし、二人並んで座るのはまだ早すぎる。45度の確度はどのような状況になっても対処しやすいはずだ。

多くの成功者が語っているように、ビジネスと恋愛は非常によく似ている。恋愛で効果的なやり方はたいていビジネスにもあてはまる。レストランの配置もまったく同じと考えてよい。

もっとも、45度という角度で座れるお店というのはそれほど多くない。ちょっと考えれば分かると思うが、お店側も商売なので、一度にできるだけ多くの顧客を店内に入れたいと考える。そうなってくると、2人用の席の場合、正面に向かい合う配置のテーブルを狭い間隔で並べた方が効率がよい。45度の配置の席を多くすると、客数が少なくなるので、当然、お店の単価は上がってくる。究極的には個室ということになるが、重要な会食に向くお店は必然的に単価が高くなる。

加谷珪一

Return Top