金利には「魔力」がある。お金持ちは金利が持つこのパワーを熟知しており、これを最大限に生かすことで巨額の資産形成に成功している。金利が持つ意味を知っているのか、そしてそれを日々の行動に応用できるのかは、資産家と庶民の大きな分かれ道となるだろう。
お金と時間には密接な関係がある
金利というのは、時間の概念と密接に関係している。時間とお金との関係を端的に表したものが金利であり、金利を理解したということはお金を理解したことと同じになる。成功者が金利に強いのは当たり前なのだ。
金利というのはお金を貸した時に、借り手が追加負担しなければならないお金のことである。100円を借りた時、金利が5%であれば、借り手は貸し手に対して、1年後に、5円を加えた105円を返済しなければならない。これは言い換えれば、お金を借りる際のレンタル料ということになる。
例えばレンタカーを半日借りると、小型車の場合には数千円のレンタル料が必要となる。同じように、お金を1年間借りた時には、お金をただ返すだけではダメで、金利分を追加で支払わなければならない。
クルマを借りるとレンタル料が発生する理由は直感的に理解できるのではないかと思う。クルマを買うためには、それなりの出費が必要だし、クルマは持っているだけでどんどん古くなり、劣化していく。誰かにクルマを貸す場合には、それなりのお金をもらわないと、貸した人が一方的に損をしてしまう。
ではお金の場合はどうだろうか?
お金は持っているだけでは劣化しないので、クルマとは条件が異なる。それでも、お金を借りる際に賃料(金利)が生じるのは、タダでお金を貸してしまうと、その人は、お金を貸している間、損をしてしまうからである。
お金には運用して利益を得るという機能がある。手元のお金を株や不動産、事業などに投資をすれば、そのお金を増やすことができる。つまり工夫次第でお金は増やしていくことができるのだ。しかし、誰かにお金を貸してしまうと、貸した人は、お金を活用して増やすことができなくなってしましまう。
本来、得ることができたはずの収益を得られないという意味で、貸した人は損をする。金利というのは、この損失に対する手当という意味を持っている。
言い換えれば、失った時間に対する値段とも言えるだろう。どういうことかというと、お金を貸した人は、その間、自分のお金を自由に使うことができない。つまり、お金を貸している間は、お金を使う時間を犠牲にしていることになり、金利はそれに対する手当である。つまり金利というのは、時間の値段そのものというわけだ。