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The Style Concierge

お金を持っていない人を一発で見抜くことができる

世の中にはお金を持っていないのにお金持ちのように振る舞う人がいる。それはビジネス目的だったり、単なる見栄だったりするわけだが、本当のお金持ちから見ると、こうした人たちはたいていがウソだと分かる。これは本コラムの読者の方なら、身をもって体験したことがあるのではないだろうか。

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お金を持っていないと税金の話はチンプンカンプン

多くの人は、外車に乗っていたり、高級時計を身につけていることがお金持ちの象徴だと考える。確かにお金持ちであれば、外車に乗っている確率は高いだろうし、高級時計も1本や2本なら持っているだろう。だが極論すれば、こうしたツールはお金を出せば誰でも買うことができる。

とりあえず、こうした小道具を使うことで、お金持ちに見せることは可能だ。

だが本当にお金を持っている人には、こうした小道具は通用しない。お金持ちとそうでない人の差がもっとも出るのは、資産の移動や税金など、地味な話題が出た時である。

日本は累進課税になっており、年収が上がれば上がるほど、極端に税率が高くなる。

お金持ちの人たちは、当然のことながら税金をできるだけ安くしたいと考えているが、税務当局がそうやすやすと節税させてくれるわけがない。本当にお金を稼いでいる人なら、簡単に節税できる方法などないという現実を嫌というほど知っているはずだ。

ところが世間一般のイメージはだいぶ異なる。富裕層は様々な節税テクニックを駆使して、おいしい思いをしているという話がまことしやかに語られているが、これは完全に外野から見たイメージに過ぎない。税金の話題が出たときの、ちょっとしたしぐさや表情などから、お金持ちの人は自分と同類であることを瞬時に理解する。

資産の海外移転についても同じである。世間一般では、資産を海外に移したり、海外に移住することは簡単なことだと思っているようだ。

これも先ほどの話と同様、一回でも本気で海外移住を検討したことがある人なら分かると思うが、移住するのは並大抵のことではない。移住はおろか、海外送金ですら一定金額を超えると急に面倒なことになる。

こうした実務面での苦労というのは、やったことがある人にしか分からず、しかも詳細な情報がネットなどに出回ることがない。このため、実際にそのような立場にいる人とそうでない人の違いが顕在化しやすいのだ。

加谷珪一

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