多くの人が、自分と同じ階層の人とコミュニティを形成している。お金持ちの人も同様のコミュニティを形成しているが、お金持ちがお金持ちの人と付き合う理由は、他の階層の人とは少々違っている。その理由は非常にシンプルで合理的なものだ。
安心感で友人を選んでいては成長は無理
人が同じ階層の人といっしょにいることを望む最大の理由は安心感である。自分と同じような人といれば、今の自分は大丈夫だと自分に言い聞かせることができる。
気が置けない仲間と楽しく過ごす時間は確かに楽しいかもしれないが、残念ながらこうした付き合いばかりでは、人は成長できない。成功者の中には、常に自分よりワンランク上の人物とあえて付き合うようにしてきたと話す人が多いのだが、これは非常に大事なことである。
お金持ちになれる人は、なんとなく友達と付き合うことはしない。自分を高めることを目的として戦略的に友人を作っている。
自分を高めることができる友達となると、自分よりも立場が高い人、あるいは同レベルであっても自分にはない能力やスキルを持っている人にならざるを得ない。
自分よりも能力が高く、実績を上げている人は、自分にはない考え方や価値観を持っている可能性が高く、これをうまく吸収できれば、自身の成長につながってくる。
成功者は若い時からこうした感覚を身につけており、意識することなくこうした付き合いを実践することができている。それが成功の原動力になっている可能性は極めて高い。
一方、同レベルの人との付き合いから、こうした刺激や情報を得られるケースはほとんどなく、たいていが共感を得ることで終わってしまう。お互いのグチを聞き、自分の立場に共感を示してもらうことは一時的には気分がよいかもしれないが、本質的な問題解決にはならない。
厳しいようだが、「共感」から何か革新的な考えが生まれてきたり、チャレンジ精神が湧き出てくるようなことはほとんどないというのが現実なのだ。