ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

“面倒な人”とのトラブルを回避する手法

トラブル回避には惜しみなくお金を投じるべき

お金持ちが、食事を奢ろうとしたり、ちょっとした出費なら自分で負担してしまうのもこうした理由からである。お金が関係すると、面倒な人はさらに面倒になり、その解決に膨大な時間を費やすハメになってしまう。ある程度、余裕がある人にとっては、そうした人とできるだけ関わらないことが最大の経済的メリットといえる。

そうであるならば、金銭トラブルが発生する余地を最初からなくしておけばよい。他人が絡む出費において、大半を自分が払ってしまえば、その後、お金のことで揉める可能性をほぼゼロにできる。

成功する人というのは、実はこうした感覚をリッチになる前から持っている。ある程度、コストをかけてもトラブルを避けることを最優先するので、気力や体力をムダなところに費やす必要がなく、結果的にそうした生活習慣が成功を引き寄せるのだ。

お金持ちになれる人は、お金に対して淡泊で、思い切った支出についても厭わないと言われる。これはムダ使いしても経済的に豊かになれるということではなく、必要なものには惜しみなくお金を使えるということを意味している。

他人とのつまらないトラブルはムダの極みであり、これを回避するためなら、かなりの支出まで許容されると筆者は考えている。おそらく、多くの成功者が同じような価値観で生きてきたのではないだろうか。

お金のことで揉めるような相手は、付き合う価値がゼロどころかマイナスといってよい。お金のことで面倒な話になったら、全額をその場で払って、後は関係を絶つのがベストである。成功する前も、成功してからも、それはまったく同じことである。

*この記事は2018年12月に掲載されたものです

加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

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