能力はいくらでも学習できるがマインドは・・・・
繰り返しになるが、上記の3つはどのパターンであれ緊急性が高く、すぐにでも対策を打つ必要がある。「基礎的な能力は高いのだが、上司や顧客にそれを伝え切れていない」とボヤいているということは、のんびり構えているということだが、それでは物事は前に進まない。
筆者がもっとも問題にしたいのはこの部分である。
基礎的な能力というのは学習やトレーニングでいくらでも身につけることができる。しかし、自分が置かれている環境から動き出せないというのはメンタルな問題であり、学習でカバーできるものではない。
経済的に成功できるかどうかは、個別の能力というよりも、こうしたマインドの有無に大きく左右される。筆者がマインドが重要と繰り返し説いているのはこうした理由からだ。
この話は企業にも応用できる。
製品の質は高いのだが、うまく販売に結び付けられないという話をよく聞くが、これも同じである。①のように顧客がその製品の質を評価していないのだとすると事態は深刻だし、②のように顧客のレベルが低いということであれば、その商品は商品として成立していない。いずれにせよすぐに対策が必要だ。
③は企業に当てはめればマーケティングがうまくいっていないということだが、マーケティングというのは商品力であり、ひいては経営そのものである。これがうまく機能していないということは、経営そのものに問題が生じている可能性もある。やはりグチを言っていられる状況ではないだろう。
基本的に成功できる人物や企業というのは、自分に対する言い訳を極力許さないものである。成功と失敗を分けるのはこの1点に集約されていると言っても過言ではない。
*この記事は2019年4月に掲載されたものです
加谷珪一 著
「億万長者への道は経済学に書いてある」
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今から5年ほど前のアベノミクスで大規模な金融緩和が行われた際、経済学の知識を持つ人達は資産を増やし、金融緩和で何が起こるかを理解できなかった人達は投資チャンスを逃した。
本書は、金融緩和をはじめとした経済学の基本を解説。億万長者になる秘訣は「経済学」に書いてある?
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