経済的・社会的に成功するのは素晴らしいことだが、成功には犠牲が伴うのも事実である。以下では、成功者が失いがちなものを列挙してみたい。

①共感を得られない

成功者が一般の他人から共感されることはまずない。当たり前のことだが、投資であれビジネスであれ、多くの人が賞賛する話というのは、すべて過去がベースになっている。

グーグルやアップルが素晴らしい企業なのは誰から見ても明らかだが、今から両社に投資しても、大きな利益は得られない。グーグルが検索エンジンを開発した当時や、アップルがiPhoneを開発した当初は、多くの人がうまくいくとは考えていなかったし、そもそも、ほとんどの人が、その製品やサービスの存在を知らなかった。

新しいビジネスを成功させるには、その技術や商品について、誰も見向きもしないタイミングでスタートする必要があり、当然のことながら、そのタイミングでは、他人から共感を得ることはできない。ほぼ、すべての起業家が経験することだが、新しいビジネスのアイデアを他人に披露すると、「うまくいくわけがない」「意味が分からない」「話にならない」など、全否定のオンパレードである。特に日本のような土壌では、基本的に否定から入る人がほとんどなので、共感を得られないどころか、批判ばかりされるというのが現実である。

成功を継続できる人というのは、こうした行為を日常的に積み重ねており、結果が見えた時には、すでに次の新しいことに意識はシフトしている。この結果、常に他人から否定されるという状況が続くので、多くの成功者は、次第に他人から共感を得ることについて諦めるようになる。

時々、多くの人の共感を得る発言を行う成功者を目にすることがあるが、それは何か目的があって発言している可能性が高く、本当はそう思っていないことも多いのだ。