②他人の限界が見えてしまう
ごく一部の天才的な人物を除いて、成功者の多くは、数多くの失敗を経験している。リスクをコントロールした上での失敗なので致命的な結果にはなっていないが、失敗の経験値は突出して多いはずだ。こうした失敗を積み重ねていくと、業種や業態に関係なく、うまくいくための方法論や価値観など、共通法則が身に付いてくる。
一般的なサラリーマン社会では、異なる業種では仕事ができないと考える人が多く、人材評価でも業種はかなり重要視されている。だが、それは従業員としての評価基準であって、経営の世界は根本的に評価基準が異なっている。経営者としての能力さえあれば、どのような業種であっても経営することは可能と認識されており、実際、あらゆる業界を渡り歩く経営者も多い。従業員として働くビジネスパーソンでも、本当に有能な人であればどんな業種でも対応できるはずだ(エンジニアなど技術職を除く)。
つまりすべてのビジネスに共通した成功法則というものが存在しており、それを身につけることができた人が成功者と定義することもできる。
非常に残念なことだが、この成功法則に照らした場合「このままではどうやっても成功するのは難しい」と判断せざるを得ない人が一定数、存在している。
成功者は多くの人に、同じ体験をして欲しいと考えているので、成功するためのヒントを他人に提供することについて厭わないことも多い。ところが、成功の見込みが薄い人に限って、成功者の意見にはことさらに耳を貸さないことが多い。確実に失敗することが分かっていながら、その相手に何もできないというのは、なかなかつらいことである。