実業家とサラリーマンのどちらがお金持ちになりやすいかと聞かれれば、やはり実業家ということになるだろう。もちろんサラリーマンのままでお金持ちになる人もいるわけだが、実業家と比較すると圧倒的に難易度が高い。
本コラムの読者の多くは成功者だと思うが、やはり実業家、あるいは組織人であっても経営層に近い人やプロフェッショナルが多いのではないだろうか。
一般的なサラリーマンのままで資産形成に成功した人は、投資に関して卓越した能力を持っていると言い換えることもできる。では、なぜサラリーマンのままお金持ちになるのは難しいのだろうか。
実業家の方が株式投資でも成功しやすい?
人が資産を築く方法は様々だが、話をシンプルにすると、お金持ちになるためには、ビジネスで成功するか、投資で成功するかの2つの方法しかない。もちろんその両方というケースもあるだろう。
外資系投資銀行勤務といった例外を除くと、サラリーマンのまま、ビジネスから大きな対価を得るのは、企業トップなどに上り詰めない限りほぼ不可能である。企業トップといっても千差万別で、役員報酬が1000万円台しかないという企業もザラにある。
ビジネス・オーナーの場合、組織で得た利益も自分のものにできるので、圧倒的に効率がよい。当然、その分だけリスクがあるが、期待リターンも大きくなる。
とはいえ、ビジネスで成功できる確率はそれほど高くないという現実を考えると、着実に投資で利益を上げた方が資産家への近道と考える人も少なくないだろう。実際、その通りで、実業家になることは、お金持ちになるための必須要件ではない。
だが、実際にお金持ちになった人を見ると、やはり圧倒的に実業家が多い。
ここで重要なのは、彼等が事業の利益だけでお金持ちになったわけではないという事実である。事業はそこそこというレベルであっても、大きな個人資産を持っている人が少なからず存在している。彼等は、事業で得た利益を投資に回し、投資で成功を収めることで資産家の仲間入りをしている。つまり事業で大成功したというよりも、投資で成功した要素が強いのである。
もしそうなら、投資の原資が事業で得たものであれ、給与から得たものであれ、条件は同じになるはずである。ところが、どういうわけか、同じ金額であっても、実業家が投資した方が、サラリーマンが投資するより成功しやすいのである。
その理由は、やはり投資に対するマインドということになるだろう。投資に対する知識や経験が同じでも、どのような基本マインドを持っているのかで、投資対象となる銘柄やそのタイミングが大きく変わってくる。その結果、投資成績にも違いが出てくるのだ。