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置き配で「盗まれる」と強く主張する人が、お金持ちになりにくい理由

世の中には、矛盾を感じやすい人と感じにくい人がいるのだが、矛盾を感じやすい人は成功者になりやすい。その理由は矛盾が生じているところには、ビジネスチャンスが眠っている可能性が高いからである。一方で矛盾を感じにくいと、重要なポイントを見逃してしまい、チャンスをうまく生かすことができない。

被害が発生した後についての認識にも違いが出てくる。

置き配について堅苦しく考えない人は、仮に窃盗が増えれば、保険などリスクをヘッジする商品が出てくるので、大きな被害にはならないと考える。つまり物事の推移に対して楽観的なのだが、盗難を心配し過ぎる人は、こうしたソリューションが出てくるだろうとはあまり考えない。

おそらくだが悲観論が強い人は、現実的な被害の額よりも、盗んだ人がトクをすることが気に入らないという感覚が強く、自身の損得勘定で判断することが難しくなっていると思われる。確かに窃盗は犯罪であり、許されることではないし、盗んだ本人は労せずして商品を手に入れることが出来ている。

だが窃盗するような人間は、その程度の人間でしかなく、感情をぶつけるような価値などない。誰かが自分よりトクしているのが許せないという感覚が強すぎると、冷静な判断ができなくなる。このような人は、あまり苦労せずに経済的に豊かになっている人たちに対しても「許せない」という感情を抱く可能性があり、ますます自分の可能性を閉ざしてしまう。

このように置き配ひとつとっても、人の心の動きは様々であり、実はこれらは経済活動と深く結びついている。お金持ちになる秘訣は、他人を信じることと、他人を信用し過ぎないこと、そして他人のことは気にしないこと、そして最後はお金にも過度に執着しないことの4つである。

日常的な考え方をお金持ちになりやすい方向に持っていければ、成功できる確率はさらに上がっていく。多くの成功者がマインドを重視する理由はここにある。

加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

連載コラム

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加谷珪一 著
 
「日本は小国になるが、それは絶望ではない」
KADOKAWA
単行本 1,430円
 
国際競争力の低下と少子高齢化が進む日本の未来とは?

将来の日本は小国になると予想し、小国になることは日本再生のチャンスであると唱える気鋭の経済評論家が、戦後最大の転換期を迎えた日本の新しい国家像を紐解く一冊。


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