カップ・フェラ半島を通り過ぎると次に通るのが、エズ駅です。エズは後ほど紹介するように、切り立った断崖の上に村が位置して、大木の上に巣をつくる鷲の生態から、鷲の巣村と呼ばれています。ただ、気を付けなければならないのはニースからモナコに行く途中にあるエズ駅からは、観光地である鷲の巣村までは車なども駅前にほとんど居ず、とても行きづらいことです。
私たちも鷲の巣村には電車でモナコまで一旦行ってから、再びニースに戻る途中に車で向かいました。前回にニースを訪れた12年前にもニースから鷲の巣村まで足を延ばしましたが、大きく変貌していて驚きました。前回に滞在したときは知る人ぞ知る観光地という感じで、観光客も少なくタクシーも捕まらなかったので、ニースに戻るときに遅れていたバスを延々待った思い出がありましたが、今回は大型バスが何台も連なって観光客が大勢押し寄せていました。レストランや売店も数が大きく増えていて、バスやタクシーだけでなくウーバーも利用でき、私たちもニースに戻るときにはウーバーを呼びましたがわずか数分で車が到着して、この10年そこそこでとても便利になっているに驚きました。
写真にあるように、鷲の巣村は12世紀につくられた断崖の一番上にある城砦を取り囲む形で、とても狭い径がうねっていて、その両脇におしゃれな小物を売る店やカフェが連なっています。ただ、上記のように観光客が増えていて、歩くのも一苦労で以前の静けさを少し懐かしく感じました。
ただ、鷲の巣村の目玉であるホテル、シャトー・エザのたたずまいは依然と変わっておらず、安心しました。シャトー・エザは鷲の巣村にある高級ホテルで、断崖絶壁沿いにあるため、カフェやレストランからはカップ・フェラ半島周辺の素晴らしい眺望が楽しめます。宿泊費はそれなりにしますが、カフェであれば1人数百円で眺望が楽しめるので、鷲の巣村に行く機会があった方はぜひ訪れてみてください。
コート・ダジュールには、今回の滞在では訪れませんでしたが、映画祭で著名なカンヌも観光都市として人気で、ニースから車で1時間もかかりません。5月はカンヌ映画祭からモナコのF1グランプリ、9月はカンヌのヨットショーからモナコのヨットショーと、コート・ダジュールで立て続けに世界的なイベントが開催されるので、夏のバカンス以外にもこれらのタイミングでは世界からVIPが集まります。
ニースで悲しいテロの事件がありましたが、素晴らしい地中海沿いの都市群の魅力は色あせることなくこれからも世界中からVIPや観光客を集め続けることでしょう。次回はロンドンについて紹介します。
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