デパートだけでなく、ナイツブリッジなど中心部から車で20分も行けば、東京では都心から1時間以上かかる郊外にしかないような大型のショッピングモールもあって、そうした施設には世界中の料理が楽しめるフードコートや映画館も併設されているので、家族で休日を丸1日快適に過ごせるでしょう。
また、これまでロンドンの揶揄の対象となっていたレストランシーンも近年大きく改善しています。もちろん、値段はそれなりにするものの、現地で評価が高かったフレンチやイタリアンレストランに入りましたが、東京やニューヨークと比べてもそれほど差がないレベルにまで進化してきていると感じました。
また、日本食もZUMAなど欧米人が好きなスタイルの店から、東京に店があった時にはミシュラン3つ星のお鮨屋さんであった「あら輝」が、銀座の店舗を閉めてロンドンに移転するなど、本格派の日本食店まで多彩になってきています。今回は、現地の知り合いのオススメでお鮨屋さんの”Kikuchi”に伺いましたが、現地の食材も含めてうまく使っていてとても高いレベルで驚きました。
お寿司や懐石料理といった高級な料理だけでなく、ラーメンなどカジュアルな食べ物も人気を集めていて、グローバル都市にはくまなく展開している印象のラーメン「一風堂」はロンドンにもあって、現地の人も含めてランチのタイミングでは満員になっていました。
文化面でも、都心に大英博物館や自然史博物館など世界的なレベルのミュージアムがあることは大きな魅力です。こうした施設に乏しいシンガポールで暮らしているため、特に子供にとってこれらのミュージアムは印象的だったようで、大英博物館のエジプトやギリシャ時代の展示や、自然史博物館の恐竜の展示について、見終わった後も数時間熱っぽく語っていました。
ナイツブリッジのホテルから、前々回に紹介したケンジントン・パレス・ガーデンズまで歩いていくために、ハイドパークを1時間近く歩きましたが、大都市の中心部とは思えないほど緑が深く、リスや様々な鳥など生き物が多くみられたのも楽しい経験でした。私たちのロンドン滞在中は、気温が35度近くまで上がる異例に暑い日だったので、多くの人が上半身裸になって精一杯日焼けをしようとしていた姿が印象的でした。NYのセントラルパークも同じように自由な雰囲気で、東京にも大きな公園はいくつかありますが、同じくらい自由なスタイルで楽しめるともっと魅力的になると思いました。
今回の滞在でハード面だけでなく、ソフト面においても特に夏のロンドンはとても魅力的だと感じたので、来年は子供のサマースクールも絡めてもっと長い時間滞在しようと考えています。
次回は、NYについて紹介します。
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日本とシンガポールで、超富裕層を対象にファミリーオフィスを経営する著者が、「本当の富裕層」から学んだ、お金を使いこなし、豊かな人生をおくる術を解き明かす一冊。