ここまで２回にわたってテック企業を中心として、ベイエリアの繁栄について紹介してきましたが、今回はその源を作ったと言えるスタンフォード大学についてです。(ベイエリア１/４)今回の滞在では、スタンフォード大学まで徒歩１分ほどの、パロアルトの家をAirbnbで借りてベイエリアに滞在していたので、スタンフォードの広いキャンパスを隅から隅まで見て歩きました。その時に撮影した写真とともにスタンフォード大学のこれまでの歩みと現在の繁栄の様子を紹介します。

東海岸の名門大学を反面教師として作られた

スタンフォード大学は晴天率が90%以上の陽気の下できれいに映える広大なキャンパスを有していて、歩いているだけでも気持ちが高揚してきます。スタンフォード大学の卒業生は政財界で幅広く活躍していますが、ここまで紹介してきたように中でも著名テック企業の創業者を数多く輩出していることが白眉です。

H&Pにシスコシステムズ、サンマイクロシステムズ、ヤフー、グーグル、テスラモーターズ、ネットフリックスと名前を並べればそのまま米国の技術産業の歴史となるようなテック企業が卒業生（中退者含む）により生み出されていますし、テック企業だけでなくナイキやGAPといった企業も卒業生により創業されています。

起業家や政治家、実業家だけでなく、スポーツやアート・メディアの世界でも多数の成功者を輩出していて、ゴルフのトム・ワトソンにタイガー・ウッズ、テニスのジョン・マッケンロー、さらには映画「エイリアン」の主演女優シガニー・ウィーバーなど日本でもその名が通っている人たちもいます。

特にスポーツにおける学生や卒業生の活躍は顕著で、ちょうどリオ五輪の開催中にキャンパスを訪れましたが、スタンフォードの学生や卒業生が３０人近くオリンピックの代表選手に選ばれていると掲示板に張り出されていました。日本ではスポーツが得意な大学と、学業に優れた大学が異なることが多いので、文武共に世界トップクラスの卒業生を輩出していることに圧倒されました。

スポーツにも注力しているだけあって、スタンフォードの30㎢以上という日本の一般的な大学の数十倍～数百倍の広さを誇るキャンパスには、観客が数万人収容できるスタジアムや世界の名コース100選にも選ばれたことのあるゴルフコースまで完備されています。

もちろん、極めて少数の例外を除いて文武両面で世界トップクラスの人物はいませんが、異なった分野で傑出した才能を持つ学生たちが世界から集まることで、刺激を与えあいながら能力を高めていく理想的な環境と感じました。