前回に、マニラのカジノリゾートについて紹介しましたが、今回はマニラで今最も注目されているカジノリゾートのオカダマニラについて紹介します。
マニラで桁違いのカジノリゾート、オカダマニラ
オカダマニラはその名の通り、パチンコ機器の大手ユニバーサルエンターテイメント社の創業者である岡田和生氏が手掛けるカジノリゾートです。前々回のコラムで、世界のリゾート別のカジノ売上ランキングを紹介しましたが、2014年時点で1位~8位をマカオが独占していて、9位、10位にシンガポールのカジノが入るなど、マニラのこれまでのカジノは規模で世界のトップクラスではありませんでした。
しかし、オカダマニラはこれまでのマニラのカジノリゾートとはケタ違いの規模で、順調に事業を展開出来れば、上記のリゾート別のランキングで世界の上位に来ると見られています。世界の上位にランクインしているリゾートは、全て米国もしくはマカオといった海外のカジノ運営会社によるもので、オカダマニラがここにランクインして来ると日本人が主導するカジノとしては初めてのことです。
ただ、開業にこぎつけるまでは苦難の歴史でした。オカダマニラの構想は2008年に発表され、2014年には建物の工事が完了し、内装も含めて2015年中には完成させて開業する予定でしたが、工事は大きく遅延して現時点(2017年2月)では2017年3月の開業を予定しています。カジノエリアだけは2016年末に開業したので、今回の視察ではカジノフロアを訪れました。
工事の遅延だけではなく、2012年からは岡田氏の関連企業がフィリピンの仲介会社に4,000万ドルを賄賂として支払ったのではないかという疑惑も浮上しFBIが捜査に乗り出しました。岡田氏はラスベガスのカジノ王スティーブ・ウィン氏に資金を提供してビジネスをともに行っていましたが、この関係がこじれて、上記のFBIの捜査にウィン氏の企業の社員が協力するなど、事態は混迷を極めています。
上記の事件は未だ解決を見ていないようですが、こうした様々なトラブルに見られながらも、何とかホテルの開業にまでこぎつけた岡田氏の剛腕ぶりには目を見張るものがあります。総工費も当初予定では約24億ドル(約2,700億円)だったところから、40億ドル(約4,500億円)に達するのではないかと見られています。