ソフト面でもマニラのカジノリゾートをリードできるか
こうした巨大施設だけでなく、香港で評判となっていた岡田氏の名前をそのまま取ったレストラン「カズオオカダ」を閉店して、スタッフを丸ごと移籍させてオカダマニラで新しくレストランを開店させる予定であるなど、ソフト面でもマニラトップのカジノリゾートを目指しています。
ミシュランの星付きレストランが多く集まるマカオやシンガポールと比較して、マニラのカジノリゾートは現時点では食の魅力では大きく見劣りします。こうした状況を、オカダマニラの登場によりどれくらい改善することができるのか注目しています。
前回の記事で紹介したソレアとシティ・オブ・ドリームスは、オカダマニラと同じマニラのベイエリアに位置しています。このエリアには2020年までにゲンティン社がリゾート・ワールドのブランドを冠した新しいIR施設を計画していて、オカダマニラとこの新しいホテルを合わせてベイエリアには4つのIRが完成する予定です。
2020年までにはシンガポールやラスベガスを追い抜いて、都市別のカジノ売上でマカオに次ぐ2位とマニラがなることを、フィリピン政府も目指しているようです。日本でもサンズやMGMといった米国の大手カジノ運営企業が100億ドル(約1.1兆円)を超える巨費を投じてIRを作ることを表明して盛り上がっています。
おそらく日本のIRの完成は2020年代前半となるでしょうが、順調にいけば都市別のカジノ売上でまずはマニラやシンガポールと競うことになるはずです。日本のIRの行く末を占う上でも、オカダマニラを始めとしたマニラのIRがどのような軌跡をたどるのか要注目です。
次回は、マニラの現状について、カジノリゾート以外のより多面的な視点から紹介します。
岡村聡 著
『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』
KADOKAWA 1,540円(税込)
日本とシンガポールで、超富裕層を対象にファミリーオフィスを経営する著者が、「本当の富裕層」から学んだ、お金を使いこなし、豊かな人生をおくる術を解き明かす一冊。
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