莫大な若年層がフィリピン経済成長の原動力
ここまで3年ぶりにマニラを訪れて変わったところばかりを紹介してきましたが、変わらないのが若者の数がとても多いことです。フィリピンの2015年時点の平均年齢は24歳で、同じASEANの国々であるインドネシアやミャンマーの28歳、マレーシアの29歳、タイの38歳、シンガポールの40歳などと比較しても、突出した若さを誇っています。ちなみに、同じ2015年の日本の平均年齢は47歳なので、フィリピンはほぼ半分です。日本で街行く人々の年齢を全て半分にすると、フィリピンの街頭の様子がある程度イメージできるでしょう。
人口ピラミッドも、若い世代ほど人数が多いまさにピラミッド型の安定した形をしていて、ワイングラスの底が広がっていない不安定な形の日本とは対照的です。この圧倒的な若年層人口を背景として、フィリピンはアジアの新興国の中でも最も安定して長期間にわたって経済成長を遂げると期待されています。
ゴールドマンサックスの予測によると、長期的に年率5%以上の経済成長率を持続して、2016年時点で36位の国別GDPのサイズが、2050年には20位内に入ってくると予測されています。人口動態から見ても、経済成長のフェーズから見ても、日本の1960年代の頃と似ていて今後30年以上に渡って経済が拡大していくと期待されています。
東京から4時間と少しでアプローチできるにもかかわらず、経済的には50年の隔たりを感じさせてくれるマニラをぜひ訪れてみてください。私もそうでしたが、マニラから東京に戻ってくると待ちゆく人々があまりに高齢でかつ静かなので、マニラのエネルギーに満ち喧騒に溢れた街並みとのあまりの対比に驚くはずです。
次回は、マニラの不動産についてエリア別に紹介します。
岡村聡 著
『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』
KADOKAWA 1,540円(税込)
日本とシンガポールで、超富裕層を対象にファミリーオフィスを経営する著者が、「本当の富裕層」から学んだ、お金を使いこなし、豊かな人生をおくる術を解き明かす一冊。
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