ローカルブランドの雄ムリア
このように、世界の超高級ホテルブランドがしのぎを削っているバリ島ですが、インドネシア発のムリアというブランドも健闘しています。ムリアは1970年代に創業者と3人の子供でスタートしたデベロッパーで、今やオフィスビルや商業施設、住宅など幅広い物件を手がけインドネシアでは最大級の規模となっています。
ムリアグループはホテルについてはまだ限定的な取り組みで、バリ島とジャカルタの2つを展開しているだけです。バリ島のムリアホテルは2012年に開業しましたが、その建物の豪華さとヴィラや客室のスペースの広さですぐ話題となり、シンガポールでもファンになっている知人が何人もいます。
私たちは以前に食事に訪れたことはありましたが、今回初めて宿泊しました。そして、家族全員が心から満足した、期待に違わぬ素晴らしい滞在となりました。子供連れにはバリ島で屈指のホテルであることは間違いありません。ホテルに到着して、まず目をひかれるのがロビーからの眺めです。ムリアホテルのロビーは断崖絶壁の上に作られているので、ロビーを抜けて崖の上からホテルの広大な敷地とその先には海まで見渡せて絶景です。
ホテルの設備も巨大で、ビーチ沿いにあるプールは横幅が100メートル近くあり、シンガポールで暮らすコンドミニアムに50メートルプールがあるため、余程大きなプールでなければ感動しないうちの子供もこれには大満足でした。
食事も朝、夕方共にバッフェスタイルで食べられ、子供連れにはありがたいポイントです。特に夕方のバッフェは世界でも最も料理の選択肢が多いほど充実していて、オイスターや蟹といった海鮮から、刺し身に寿司、イタリア料理、インド料理、中華にローカルフード、ヌードルステーション、鉄板焼きのコーナーと選り取りみどりです。宿泊費や食事の価格もヌサドゥアにある5つ星ホテルとしてはリーズナブルで、初めてバリ島を家族で訪れて豪華なリゾート体験を贈りたい人には最もオススメです。
今回の滞在ではもう1つ、タイのマイナー・インターナショナルが運営するこちらも超高級ホテルブランド、アナンタラも訪れました。アナンタラの売りは海沿いにあるロックバーです。断崖絶壁の上から専用のケーブルカーでバーに降りるというアトラクション的な楽しみ方ができます。
私たちは子連れだったので、オープンする午後4時直後に訪れたのですが、日差しがとても強く黒い傘を差しながらでなければ熱くて耐えられないほどでした。可能であれば日没直前に訪れるのがオススメです。
今回、バリ島の超高級ホテルをあちこち訪れて感じたことは、世界中の超高級ホテルブランドがその粋を持ち寄ってきていて、ここを定点観測しておけば今後の超高級リゾートのトレンドが見えてくることです。
今や世界の最先端を行っていると言っても過言ではないバリ島のリゾートが、シンガポールから3時間以内にあることはとてもありがたいと感じています。
『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』
KADOKAWA 1,540円(税込)
日本とシンガポールで、超富裕層を対象にファミリーオフィスを経営する著者が、「本当の富裕層」から学んだ、お金を使いこなし、豊かな人生をおくる術を解き明かす一冊。