ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

開業から1年が経過したオカダマニラ

この連載でも過去に40回目45回目に取り上げたマニラの巨大カジノリゾート「オカダマニラ」を再訪したので、その時の様子を紹介します。

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盛り上がりに欠ける
カジノやエンタメフロア

初めてオカダマニラを訪れたのは昨年2月のことで、翌月のカジノフロアのオープンを目指して建設が急ピッチで進んでいるタイミングでした。その後、昨年5月にオカダマニラに宿泊しカジノフロアや噴水ショーを見た感想をレポートしました。

18年1月末に3度目の訪問をしましたが、総じて開業当初の熱気が薄れてきているという印象でした。昨年5月の訪問時には未完成だった、巨大なエンターテイメント施設である「コーブ・マニラ」が完成していて訪れましたが、特にイベントがない日だった為か10人ほどしかゲストが訪れておらず写真にあるように閑散とした雰囲気でした。

現地の人に話を聞くと、著名なミュージシャンやDJを呼んだイベントの開催時には長い行列ができて賑わうようですが、ラスベガスのナイトクラブのように特に大きなイベントがなくとも、連日満員となって入場料を支払ったうえで高額のドリンクを購入しなければならないことを覚悟していたのに対して、入場料もかからずドリンクとつまみを頼んでも1,000円程度の料金に拍子抜けしました。

「コーブ・マニラ」はオカダマニラのホテル棟と商業施設の間に位置する9,000平米近くの超巨大施設で、最大で4,500人を収容できるようですが、その規模とコストに見合った集客を継続的に実現して、収益に貢献するところまでこぎ着けるのは中々に困難ではないかという印象を持ちました。

これはオカダマニラに限らないことですが、ラスベガスと比較してマニラのIR施設ではカジノ以外のイベントやショーなどの幅広い客層が楽しめるエンタメ面で大きく見劣りしています。夏のバカンスを中心として連日多くのゲストで賑わうという、ナイトクラブが文化として数十年にわたって定着してきた欧米と比較して、東南アジアではナイトクラブが全般的に苦戦しています。

シンガポールでも、マリーナ・ベイ・サンズの真正面という最高の立地に作られたナイトクラブの「アヴァロン」が開業からわずか2-3年でクローズしてしまい、何度か復活するという噂もあったものの、最近建物自体が取り壊されてしまいました。

これからアジアでは類を見ない巨大な箱であるコーブ・マニラを、どのように盛り上げていくのか注視していきたいと思います。

岡村聡

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