赤ちゃんウミガメの放流
ニヒ・スンバでは沢山の思い出ができましたが、家族全員にとって最も印象に残ったのが赤ちゃんウミガメを海に返したことです。次回のコラムで詳しく書きますが、リゾートのオーナーであるクリストファー・バーチはスンバ財団を設立して、スンバ島の自然やコミュニティを維持する活動に注力しています。
その一環としてウミガメの保護にも熱心で、ホテル内はビーチに埋められた卵を適温で保存して、なるべく多くの赤ちゃんが孵化するようにデザインされた施設があります。こればかりは自然の営みなので、私たちの滞在中に遭遇できるかは運しだいでしたが、幸い滞在2日目に90匹近くの赤ちゃんが孵化したので、スタッフとホテルのゲストと一緒に海に返しました。
ウミガメの世話をしているスタッフの指示で卵を回収した場所まで戻って、サンセットのタイミングでビーチに放すと、赤ちゃんウミガメが揃って太陽が沈んでいく方向に一心不乱に這っていく姿は、生命の神秘を感じる素晴らしい体験でした。
同時に、通常のウミガメは5%ほどしか元のビーチに産卵のために戻ってこないのに対して、ニヒ・スンバでは専用施設で孵化させ、さらに海に入るまでは鳥や動物に食べられないようにケアしているので10%程は戻ってくると思うというスタッフの話を聞き、それでも非常に低い確率だと自然の厳しさも感じました。
ニヒ・スンバはクリストファー・バーチがオーナーとなってアップグレードされてから、わずか数年で米国の旅行誌Travel + Leisureのランキングで世界1位に選ばれましたが、最新の高級リゾートは豪華さや物珍しさではなく、このようなエコや現地コミュニティへの貢献において評価されている故と感じました。
次回は、スンバ財団の活動と私たちもアクティビティで訪れたローカルヴィレッジの様子を紹介します。
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