旅行先から滞在先として
こうしたハイエンドホテルが運営するレジデンスやマリーナが増えてくることで、旅行ではなく1ヵ月以上の滞在先としてドバイを選ぶ富裕層が増え、それによりヨット上でのパーティなど社交イベントも増えてきているようです。今回の滞在中も、このブルガリホテルのマリーナやドバイマリーナのスーパーヨットで行われるパーティに参加すべく、ハイエンドのファッションで身を固めた多くの善男善女たちの姿を頻繁に見かけました。
ブルガリホテルだけではなく、滞在していたアトランティスホテルにも巨大なレジデンスがホテルに隣接した土地に建設中でした。写真に全容がわかる建築モデルを撮っていますが、2.500室の客室を有するホテルに匹敵する規模の巨大な開発となるようです。
アトランティスホテルは、ドバイの象徴となっている巨大なヤシの木型の人工島「パーム・ジュメイラ」の先端に位置するために、他のホテルや地区への移動に時間がかかるため、Nobuを筆頭としてハイエンドなレストランがホテル内に多数開設されていて、リゾート内で滞在が完結するようになっています。
アトランティスレジデンスの所有者は、年間12回までホテルのウォーターパークを自由に使える権利が付与されているので、子供がいる富裕層にとっては世界でも類を見ない魅力的なレジデンスとなりそうです。ホテルのレストランやバーに加えて、レジデンスのタワーにも豪華なプールクラブやレストランが開店する予定で、米国や欧州の富裕層が冬の寒さを逃れるいわゆる避寒地として利用する上でとても人気になりそうです。
今回、レジデンスのショールームにアポイントを取って、2時間近く専属の担当者から詳しくレジデンスについて説明してもらいましたが、天井高や使われている建材、更にはキッチンなどの設備もニューヨークやロンドンの超高級コンドミニアムと同等の水準でした。日本の高級マンションはもちろん、シンガポールの数十億円するコンドミニアムよりもクオリティは上だと感じました。
ドバイは上記のようにシンガポールからそれほど遠くなく、旅行に訪れるシンガポール在住者も増えているにもかかわらず投資先としてはまだそれほどメジャーにはなっていません。シンガポールで懇意にしているプライベートバンキングが最近ドバイに支店を開設して、ドバイ不動産への住宅ローンなど現地でのサービスを拡充しているので、うまく連携してドバイでもビジネスを手掛けたいと考えています。
久しぶりにドバイを訪れて、旅行先から長期間滞在する場所へとグレードアップしてきていることを感じました。次回は、観光が先行しているドバイに対して、文化やスポーツ面から対抗しようとしているアブダビについて紹介します。
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