アカデミックな雰囲気に包まれたオックスフォード

アートや文化についてのイベントも盛りだくさん

ファンタジーを中心とした文学作品だけでなく、街を歩いていると知的想像力が刺激されるイベントがたくさん開催されていました。この分野においても世界的に評価が高いオックスフォードの演劇部が主催するミュージカルやドラマは市内の劇場でいつでも見られますし、様々なアートイベントも開催されています。

私たちが滞在したときには、上述したアシュモレアン美術館で著名彫刻家のジェフ・クーンズの特別展が行われていました。基本的にオックスフォードのミュージアムは全て無料なのですが、こうした特別展だけは有料です。現代の彫刻家として世界最高価格でコレクターが作品を買い求めるクーンズには興味があったので、子供と一緒に入場しました。

クーンズは一見風船で作られたように見える作品が実はステンレスで作成されているデザインの巨大なメタル彫刻で有名です。当然、製作には多大なリソースが必要で、彼の工房では数百人のスタッフを擁していることで知られています。作品自体も想像力を刺激する強いパワーを持っていましたが、この世界的な人気を誇る現代彫刻が1,000年もの歴史を誇るオックスフォードの地に来て、人気となっていること自体が現象としてとても面白く感じました。

世界中から研究者や学生が訪れるオックスフォードはレストランシーンのレベルも高く、滞在中には日本食をはじめ中華やイタリアン、ステーキなど多様な料理を食べましたが、どこもとても美味しく子供だけでなく親も一緒に滞在して、学校に通わせるのもいいなと考え始めています。

その経済的な影響力は全盛期よりもかなり後退しているものの、文化・科学面での影響力は全く衰えていない英国のパワーの源泉をオックスフォードの地で存分に感じました。

岡村聡 (おかむらさとし)

シンガポールで資産運用のアドバイスを行う株式会社S&S investments代表取締役。マッキンゼー&カンパニー、アドバンテッジ・パートナーズなどを経て、2010年11月に妻と2人で同社を設立。現在、資産運用に加えて、海外移住や海外不動産投資などのコンサルティングも行っている。著書に「世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣」(KADOKAWA／中経出版)など。

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