ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

ロックダウン明けのシンガポールの様子

リーダー層も次世代に

厳しいロックダウンを強いられましたが、被害が少ないアジアの中でも人口当たりの死亡率を低くとどめてきたシンガポール政府の対応を、国民たちも概ね高く評価しているようです。シンガポールでは5年に1度の総選挙が7月10日に行われる予定ですが、リー・シェンロン首相率いる人民行動党(PAP)の大勝が確実視されています。

PAPはシンガポール独立後にずっと与党でしたが、前々回の2010年の選挙では得票率が60%まで落ち込んだことが話題となりました。前回、2015年の選挙ではこれが70%まで回復し、89議席中83議席を獲得しています。

PAPでは世代交代が打ち出されており、現首相より10歳若く次の首相の最有力候補と見られているヘン・スイキャット副首相兼財務相を全面に出しての選挙戦となっています。これまで東南アジアのハブとしてチャンギ空港を拡大させてきましたが、最新の第5ターミナルの建設を少なくとも2年間停止するなど、シンガポール政府もインフラ整備の方向性を見直しています。 

独立から約60年で、1人あたりの所得額を100倍以上に伸ばすという世界でも他にほとんど類を見ない経済発展を成し遂げてきたシンガポールですが、次世代のリーダーの下でどのような発展を目指していくのかその動向を注視していこうと思います。

岡村聡_300

岡村 聡 (おかむら さとし)

シンガポールで資産運用のアドバイスを行う株式会社S&S investments代表取締役。 マッキンゼー&カンパニー、アドバンテッジ・パートナーズなどを経て、2010年11月に妻と2人で同社を設立。現在、資産運用に加えて、海外移住や海外不動産投資などのコンサルティングも行っている。著書に「世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣」(KADOKAWA/中経出版)など。

連載コラム

okamura_book
岡村聡 著
 
『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』
KADOKAWA 1,540円(税込)
 
日本とシンガポールで、超富裕層を対象にファミリーオフィスを経営する著者が、「本当の富裕層」から学んだ、お金を使いこなし、豊かな人生をおくる術を解き明かす一冊。

岡村聡

Return Top