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アジアで高級ブランドが急復活

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Photo:iStock.com/zhnger

ここまで2回に渡ってシンガポールにおけるロックダウンとその後の様子を紹介してきましたが、シンガポールでは市中感染もほぼゼロとなってきており、コロナの感染防止からアフターコロナの経済・ビジネスの復活に人々の関心は移ってきています。

コロナが収束したアジア各国で高級ブランド売上が復活

シンガポールだけでなく、中国本土やベトナム、マレーシア、台湾といった国々では、コロナはほぼ収束しつつあり、経済活動が急ピッチで復活しています。その中で突出した動きを見せているのが高級ブランドの販売です。

中国では20年4-6月期に、メルセデスベンツやBMW, さらにはアウディといった高級車が過去最高、もしくは最高水準の売れ行きとなったようです。また、高級車だけでなくWSJの記事によると高級ファッションブランドのLVMH(ルイヴィトン・モエ・ヘネシー)の中国本土での売上は、前年同期比で65%も増加し、グッチを有するケリングも同40%増と非常に好調でした。これらの数字はコロナの影響が皆無の昨年4-6月期との比較ですから、いかにロックダウン解除後に高級ブランドの売上が急増しているのかよく分かります。

コロナでDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速し、小売りにおいてもオンラインの比率が急拡大していますが、高級ブランドについては未だ店舗での販売が中心です。中国本土ではこうした高級品売上の急ピッチでの回復を受けて、上海のエルメスやグッチの店舗では入場を制限するなどの動きが出てきているほどです。

中国本土だけでなく、私が暮らすシンガポールでも消費の回復は日々実感します。8月に入ってからモールへの人出も週ごとに増えてきていますし、高級ブランドの店舗もにぎわっています。世界的に百貨店やモールでの売上が低迷し、破綻したり店舗を閉鎖したりする動きが広がっていますが、規模を縮小しながらも高級化を図り、店舗を訪れること自体がエンタメとなるような脱皮をはかることでの活性化は、十分可能なのではないでしょうか。

既に店舗のハイエンド化を先導するような動きがシンガポールでは出てきています。

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シンガポールの象徴である巨大カジノホテル「マリーナベイサンズ」の目の前の海上に出現した球体のアップルストアがそれです。

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写真にあるように、マリーナベイサンズやその周囲の奇抜な建物の集合体の一部として、この新しいアップルストアは近未来感のある光景に彩を添えています。

このアップルストアは元々高級ナイトクラブがあった場所で、100メートルほど離れた同じく海上にはルイヴィトンの店舗があります(1枚目の写真)。このルイヴィトンの店舗は開店当初から世界でも屈指の売上をあげてきたようですが、近日の営業開始を予定しているアップルストアとの相乗効果で、このマリーナエリアはシンガポールの消費のハブとなっていきそうです。

岡村聡

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