21年の渡航はワクチンパスポートで

大規模なクルーズも復活

日本でもコロナが蔓延するきっかけとなったのではないかと、大型客船ダイヤモンド・クルーズの船内での感染拡大とその後の対応について議論が紛糾したことはいまだ記憶に新しいところですが、コロナ後のニューノーマルとしてワクチン接種者に限って大型客船によるクルーズを再開する動きも出てきています。
大型客船のクルーズ運営会社のクリスタルクルーズは、コロナ感染拡大以降１年近くにわたってすべての客船の運行を停止していますが、今年の後半にワクチン接種者に乗客を絞る形で1,000人規模の大規模なクルージングを再開する予定であると発表しました。

これまでも数社は同様の方針を打ち出したクルーズ運営会社はありましたが小さな船を運行する業者で、こうした規模のクルーズ旅行の再開は初めての事例です。同社の顧客にアンケートを取ったところ80％以上の回答者がこうしたワクチン接種を義務付けた形でのクルージング再開に前向きであったことも、この判断に繋がったようです。同社のCEOは、会見でワクチン接種をクルージング参加に義務付けることを、コロナ後のニューノーマルとして長く定着していくという見方を示しています。

個人的にも昨年２月に日本からシンガポールに帰国してから１年にわたって小さい島に閉じ込められてしまい、そろそろ海外渡航を復活したいと思い始めているので、ワクチン接種とワクチンパスポート構想の拡大によって、なるべく早いうちに制約が少ない形での海外渡航が再開されることを心待ちにしています。

岡村聡 (おかむらさとし)

シンガポールで資産運用のアドバイスを行う株式会社S&S investments代表取締役。マッキンゼー&カンパニー、アドバンテッジ・パートナーズなどを経て、2010年11月に妻と2人で同社を設立。現在、資産運用に加えて、海外移住や海外不動産投資などのコンサルティングも行っている。著書に「世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣」(KADOKAWA／中経出版)など。

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