2020年に世界中で猛威を振るった新型コロナですが、21年に入ってからワクチンの接種状況や感染対策によって国ごとの状況が大きく分かれてきています。
コロナの状況は4つに分かれる
コロナの状況は4つに分かれています。まず、最もコロナの影響を小さくとどめているのが、昨年の感染拡大当初からうまくコロナに対処をして、さらに今年に入ってからの変異株の流行も乗り切っているグループです。こちらには、台湾やオーストラリア、NZに加えて私が暮らしているシンガポールも入ります。
経済情報配信で世界最大手のブルームバーグ社は、コロナの状況について定期的にランキングを発表していますが、1位~4位まで上記の4ヵ国が入っています。また、中国やベトナムといった一党独裁の国も、感染拡大当初に強固なロックダウンにより感染拡大を止め、その後も厳しい行動・渡航制限を行ったことで、コロナによる被害を小さくとどめており、このグループに入ります。
この次に上位に入ってきている国々が、昨年にはコロナで一定もしくは大きな被害を出したものの、ファイザー・モデルナのmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンの接種を急ピッチで進め、変異株が拡大するなかでも劇的にコロナの状況を改善させてきているグループです。
代表例がイスラエルで、4月末時点でイスラエルは全国民の6割近くが、メーカーが推奨する2度のmRNAワクチン接種を完了し、コロナによる死者が1人も出ない日が過半となってきています。こうした急改善を受けて上記のブルームバーグのランキングでも5位まで順位を上げてきています。
このグループには英国や米国も入り、特に英国は1月後半には1日あたりの死者が2,000人に迫るなど世界でも最悪の状況で、日本の20倍近い犠牲者を出していましたが、4月末の時点では過去7日間平均の死者数が20人まで急減し、新規感染者数も1日2,000人前後と、どちらも日本の半分ほどになるまで急改善しています。
米国も英国ほど劇的ではありませんが、今年に入ってから新規感染者・死者ともに大きく減らして、上記のブルームバーグのランキングでも27位から21位と順位をあげています。