子供もPCR検査陰性でオッケーに
一方、コロナの状況をよくコントロールして、もしくはし始めている先進国の多くでは、すでにコロナ後の経済再開について具体的なプランが次々と出てきています。前回のコラムで、コロナ後の海外渡航復活のカギとなるワクチンパスポート構想について紹介しましたが、欧米でバケーション需要が最大となる夏に向けて、具体化が進んでいます。
英国では、4月からサッカーの試合などに万人単位のゲストを入れる大規模なイベントを再開する予定で、ゲストはワクチン接種者に限るようです。こうして接種者同士が大規模に集まっても感染拡大につながらないのか確認をした上で、海外渡航についても接種者を優遇していく方針です。
英国では順調にいけば最速で5月17日に海外渡航を緩和する予定で、ワクチン接種率やコロナの感染者数によってすべての国を信号方式で評価して、最上位の緑とされた国からの渡航者については、ワクチン接種をしていたりPCR検査で陰性であったりすれば隔離期間なく入国を認める予定です。
シンガポールはおそらく高確率でこの最上位認定を受けると見ており、コロナ拡大以降1年以上にわたってシンガポールに閉じ込められている状況が続いているので、今夏には英国に家族で長めに滞在しようと計画しています。シンガポールは香港とも5月末には隔離期間がない渡航の再開を復活すると発表があり、オーストラリアやNZともトラベルバブルの設定の議論が進んでいるようです。
また、EUからも米国からの渡航者について、ファイザー・モデルナのmRNAワクチンに代表されるEUで承認されているワクチンの接種者は、隔離期間がない渡航を受け入れるという発表も4月末に行われました。
このようにワクチン接種を急速に進めて、コロナの状況について改善している先進国では、海外渡航の復活方法について活発に議論が行われています。先進国の中においてワクチン接種で大きく出遅れた日本ですが、このまま手をこまねいていると海外渡航の再開でも出遅れ、コロナ後の経済回復においても大きな支障が出かねません。一刻も早く挽回をしていってもらいたいところです。
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